【67】 団結の力

 突然現れた――数百、それ以上の冒険者たち。

 数えきれないほど、俺たち……


 いや……『シャロウ』を囲んでいる。



「カイトを守れええええええええ!!」「俺はカイトのおかげでレベルアップして、すっげええ助かった!」「俺は貧乏でよぉ、マシな防具もなかったんだよ。でも、レベルを売ってそれでやっと強くなれた!」「私も強くなれて帝国デビューできたもん!」「ワシはレベルを売って、病気を治療ちりょうできた」「あの最高の商人・カイトは、我々の希望だ!」「シャロウは、僕たちの希望を奪う気か!」「許せねえ、絶対にだ!」「高レベルダンジョンを攻略できるようになった恩、今返す時が来た!」「あたいはシャロウをぶっ潰したい!」「うぉぉぉぉぉ、カイト助けにきたぜええ!!」「まだまだ増えるぞ!!」「もう500人はいるんじゃない!?」「しゃああああああッ!!」「ソレイユ様親衛隊も助太刀に参りました!」「アルケミストギルド・パナシーアも参戦する!!」「パナシーアと同盟を結ぶギルド・フェンリルもだ!」「この街のギルド・ニュートラルも助力いたす」「ギルド・エルドラード見参」「商人連合もだ!!」「労働組合もいるゾ~!」「ブラックスミスギルドも来たぜェ!」「ホワイトスミスでございます!」「お久しぶりです。盟友殿。我がフレッサー商会も参ります」「サスピシャスも手伝うよ~」「お客様に笑顔を! インパルスも来たよ!」



 わあぁぁぁぁ……。


 すげぇ人間ひとの数だ。どんどんどんどん現れる。


 まだまだ現れる。これはまるで大きな人間ひとの波だ――――。



「これは……いったい……」

「カイト様、この方たちは今まで出会った方や『レベル売買』のお客様ですよ」



「――――そういう事か」



 ようやく俺は理解した。



 これまで関わってきたお客さんたちが、今度は俺たちの為に助けに来てくれたんだ。それも全員・・だ。親身になって丁寧に対応した甲斐かいがあったってわけだ。もちろん、俺だけの力じゃない。ルナやソレイユ、ミーティアのおかげだ。


 ひとりでも欠けていれば、この力は生み出せなかっただろう。


 だから、全員に・・・感謝する。



「…………ありがとう!! みんな!!」


「バ…………バカな!! なぜこんなに低レベルの人間クズどもが!!」



 あせりまくるバオとそのメンバー。

 これだけの人数を相手には出来まい。



「…………ふ、ふざけるなあああああああ!!」



 くやしそうに叫ぶバオ。形勢逆転。


 ――――さあ、逆襲開始だ!!

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