あなたのレベル買い取ります！ 無能と罵られ最強ギルドを追放されたので、世界で唯一の店を出した ～俺だけの【レベル売買】スキルで稼ぎまくり～

【65】 レベルの違い

　所持金はそれほど多くはない。あのダンジョンでかなり無茶（むちゃ）をしたから、レベルを奪（うば）えても、バオの分だけだ。ここが勝負だ。

「カイト、てめぇを殺す……！　ヤロウ共、あのガキと女を殺（や）っちまえええええええええええ！！！」

　大声で叫（さけ）ぶバオ。ヤツは本気（マジ）だ。

　やるしかない……！！

「レベルダウン！！」

「…………なっ！！　カイトてめぇ、俺様のレベルを……！！」

「そうだ、全て（・・）奪（うば）った。これで金は使いきっちまた……でも、安いもんさ」

「クソォォォォ！！　だがな、仲間は『Lv.2600』もあるぞ！！」

　なんだって……。

　無理だ、この人数のレベルはもう奪（うば）えない。金がない（・・・・）！

　あとはソレイユに任せるしか。だが、相手は『30人』だぞ。いくら帝国の騎士といえど……しかも、ソレイユのレベルは、ダンジョンを抜けた直後に『Lv.750』に戻っている。またレベルアップさせるにも、金が必要（・・・・）。もう所持金はゼロに等しい。先に、ソレイユのレベルを上げるべきだったか……。いや、どちらにせよ金が足りなかった。コストの安い『レベルダウン』が精一杯（せいいっぱい）だった。

　……くそ！！

　レベル差があるが、しかし技量（ぎりょう）はソレイユの方が上のはずだ。

「――――たぁっ！！！」

　ハンマーを振るうソレイユ。だが、敵は剣を一振りしただけで、ソレイユを突き飛ばしていた。

「きゃあっ……！」

　こっちへ飛ばされてきたので、俺は彼女を支（ささ）えた。

「ソレイユ！　うそだろ……」

「……そんな、レベルが違うだけで……こんなにも力に差があるなんて」

　当たり前のことだけど、これが現実だ。

　レベル＝全ステータスが桁違（けたちが）いだからな――。