追放された付与魔法使いの成り上がり 〜勇者パーティを陰から支えていたと知らなかったので戻って来い?【剣聖】と【賢者】の美少女たちに囲まれて幸せなので戻りません〜
第113話:付与魔法使いはカタリナ洞窟に行く
第113話:付与魔法使いはカタリナ洞窟に行く
そうではない可能性……というのは、『カタリナ洞窟』の異常だ。
この世界に絶対はない。
突如、原因不明の理由で魔物が強化され、本当にガリウスは魔物に殺されてしまった……と考えられなくもないのだ。
可能性は限りなく低そうだが……。
「だから、俺はアルスたちへ依頼を回すよう提案したんだ」
「それでギルドは受け入れた……と」
確かに、よく見ると依頼の受託者は俺たちパーティの名前になっていた。
断ることもできそうだが……ん?
「報酬……高いな」
依頼書の報酬欄には百万ジュエルと書かれていた。
依頼の内容はカタリナ洞窟に生息する魔物の調査のみ。
特定の部位を集めてこいとか、何体の魔物を倒せというような細かな指示もない。
たったこれだけの作業で百万ジュエル……。
「悪くない条件だろ? そこも踏まえてどうだ? ダメか……?」
できるだけ面倒ごとは避けたい俺だったが、マリアの購入費用や、王都での消費で資金が減っているという懐事情は少し問題には感じていた。
依頼を受けなくてもなんとかなると思うが、たった一日遅らせるだけで百万ジュエルの資金が手に入るとなると……これはさすがに心が動いてしまう。
「ニーナ、マリア。出発は明日でもいいか?」
こうして、俺たちは突発的に降ってきた依頼を引き受けたのだった。
◇
カタリナ洞窟の入口付近に到着した。
この程度の狩場なら大丈夫だろうということで、ニーナとマリアの二人も一緒に連れてきている。
二人を王都に残しておくのは不安だった。
さすがに戦力としてはカウントできないが、二人はエルフの里では冒険者をしていたそうなので、強化魔法さえ付与しておけば、特に問題になることはないだろう。
と、思っていたのだが――
「……なんだ? この異様な雰囲気は」
ここに来て、それが間違いだと気付くのに時間はかからなかった。
このエリアには相応しくない、強烈な強さの魔力を感じる。
何か様子がおかしい。
もしかして、本当にガリウスはここで……?
いや、でもフィーラたちはこんなこと一言も言ってなかったよな……?
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