第16話
エピークの会社の情報処理担当だという女性は、映話で、静杯会のことを根掘り葉掘り尋ねてきた。知らなくて答えられないことも多かったが、ハイルは精一杯答えた。許してもらうためには、誠意を見せなくては。わたしたちは悪い人ではないということをわかってもらうのだ。
話の最後に、女性は言った。
「今回の事件は未遂なので、かかわった人たちはすぐに釈放されると思います」
「ああ、よかった」
ハイルは胸をなでおろした。
「今後、二度とこのようなことがないように、ハイルさんに協力していただきたいんです」
「まだなにかするんですか?」
こうやって話をすれば、エピークに許してもらえると思っていた。どうやら、そうではないらしい。
「今週にも、記憶売買規制法案の採決が行われます。その前に、もっと大きな事件を起こしてほしいんです」
「もっと大きな事件?」
「とてもいい秘策なんです」
詳しいことは直接会って話しましょう、と彼女は言った。
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