掌編

川字

工場のない町

 雪を待って3年が経つ。ここにはもう、ないのかもしれない。かつては作業の合間に、かぶるほど浴びた。それもだんだん減って、ついにかかることはなくなった。家の外を眺めては、風景を見過ごすばかり。見通しはずいぶん良くなって、わずかな風だけ感じる。空気がとてもきれいだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

掌編 川字 @kawaza

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ