(5)




いつの間にか、三時間目の授業が終わっていた。




…ああ、なんだか凄く疲れている。




今日はいろいろな人と話しすぎたし、




ブラックリストなんか作ったりして下手に労力を費やしてしまった。




それに、進真やママのことばかり頭に浮かんで、ずっと悶々としている。




…ああ、アナ、頼れるのはあなただけ!




『アナの日記』を手にした瞬間。





「…原口夢果さんって、あなた?」





突然の、女の声。




えっ、誰?




桐島麗華と岡本杏奈なら、松木さくらの席でスマホをいじっている。




中谷美蝶も、後ろの方で男とイチャついているし…。




あたしに話しかける女は、他にいないはずだけど。




まさか、耳鳴り?




朝からたくさんの人と話したから、アレルギー反応の一種かもしれない。




キャ――ッ!





「ねえ、聞いてる?ねえってば!」





しつこいなぁ。




でも、幻聴にしては生々しいような…。




何気なしに目を向けると、廊下側の窓から女が身を乗り出していた。




うわっ、3D!




あのリボンの色は…看護科だ。




それしか分からない、誰だろう?





「原口夢果さん、話があるの。ちょっと来てくれる?」





看護科の生徒が、普通科に何の用?




前髪のない黒髪ボブに、キリッとした顔立ち。




どこかで見たような美人だけど、まさか…




この看護科女も、イケヤンとのことで嫉妬していたりして?




また責められたりしたら、あたし、身が持たないよ…!




もう、ほぼ人間不信!!





「あなた、原口夢果さんでしょ?」





あたしは頷いた。





「申し訳ないんだけど、ちょっとでいいから話を聞いて。


とっても大切な話なの」





あたしはあなたの名前も知らないのに、そんな状態で大切な話を?




怪しんでいると、どこからか声が聞こえた。





「あれ、杉崎永未じゃない?原口さんが話しかけられてる」





…え!?




この目の前にいるのが、杉崎永未だって?




杉崎永未といえば、しょっちゅう男を取っ替え引っ替えすることで有名な、




看護科で最も悪名高い女だ。




顔は知らなかったけど、これまで名前を聞いたことは何度もある。




看護科というだけでも好まれないのに、さらに男関係が派手ということで、




普通科の女子たちの間ではかなり嫌われているのだ。




それでも、中谷美蝶ほどではないけど…。




そんな女が、一体、あたしにどんな話があるっていうの?




怖い、怖すぎる。





「ごめんね、急に呼び出したりして」





廊下に出ると、杉崎永未に言われた。




いや、最近、いろいろな人に呼び出されてるんで…(汗)。




首を振ると、





「急なんだけど…、イケヤンの誰かと付き合ってる?」





きた―――!!




やっぱり、イケヤンネタだ!




そりゃそうだよね、他にないもんね。




でも、まさか、看護科まで浸透していたなんて…




イケヤンパワー、恐るべし。





「付き合ってないですよ」





これ以上、問い詰められるのは御免ごめんだ。




あの魔女たち(桐島麗華&岡本杏奈)のようになられては困るので、




余計なことは言わず、必要最低限の言葉で事実を訴えよう。





「みんなから誤解されてるみたいですけど…


絶対、付き合ってません。


本当です!」





すると、杉崎永未は頷いた。





「そうだよね、こんなこと聞いてごめんね。


付き合ってないなら大丈夫、安心した!


疑ったりしないから、そんな顔しないで?」




「…あ、」




「イケヤンのせいで、女子たちから嫉妬されたりしてるんじゃない?


女って怖いもんね…でも、わたしは大丈夫だから」





あなたも嫉妬しているんじゃないの?




てか、あたし、相手に悟らせるほど露骨な顔しているのかな。




急に現れた杉崎永未に励まされるという、謎の一コマ。





「ほんと、イケヤンと関わると、ろくなことがないんだから…。


あ、そうだ。


わたしたち、同い年だから、タメ口で話さない?」




「あ…う、うん」




「よろしくね!


あー、良かった、あなたがイケヤンと付き合ってなくて」





意外とフレンドリーだな…、見た目とギャップのあるタイプね。




タメ口で話すのもいいけど、自己紹介はしないんだ。




それより…なんか、怪しいな。




あの魔女たちとは違い、気を使ってくれているし、




嫉妬に燃えている様子でもないけど……




それなら、なぜ、




わざわざ「イケヤンと付き合っているのか」なんて確認しに来たんだろう。





「どうしても忠告しなきゃと思ったんだ…、


イケヤンと付き合わない方がいいって」




「…そうなんだ」




「昨日、あなたがイケヤンの五人と一緒にいるところを見たって、


友達から聞いて…


居ても立ってもいられなかったの」





昨日…誰かと会ったっけ?




確か、九組の教室に入る直前、何人かの女子たちを見かけたような。




遠藤虎男が、すぐさま怒鳴りつけて脅していた気がするけど…




あの女子たちは、ひょっとすると看護科の生徒だったのかもしれない。




にしても、情報流れるの早すぎだけどね!





「イケヤンの五人は、ひどい奴らだから…


絶対、関わらない方がいい」





杉崎永未は、怒ったように言う。




分かったってば。




ていうか、あたし、もうあの男たちとは関わることないから。




どんなことを言われても、全然気にしない!





「わたしが一番、身をもって知ってる。


…前、金城亜輝と付き合ってたから」





はい?




今、何て?





「あの男は…わたしを妊娠させた上に、浮気して、捨てたの。


あまりにも辛くて、今でも鮮明に覚えているくらい……


わたし以外にも、傷つけられた子はたくさんいるんだけどね。


金城亜輝は、そういう男なんだよ」





ちょっと、待っていただける?




妊娠、浮気、捨てた……




ハードすぎて、頭が追いついていないのですが。




金城亜輝って、そこまで最低な奴なの?




これまでたくさんの悪い噂を聞いてきたけど、こうして直接聞くのは初めて。




まさか、本当?





「金城亜輝と付き合ってたから、他の四人のこともよく知ってる」





戸惑うあたしを置いて、杉崎永未はさらに続けた。





「高橋敬悟は、元ヤクザの連中と深い関係があって。


新木純成は、母親に酷い暴力を振るったことがあるんだ。


遠藤虎男は、とある宗教団体の跡継ぎで…――


まあ、それを言うなら、


高橋敬悟だって、この高校の理事の第一跡継ぎなんだけど」





な、何だって?




杉崎永未…あなた、初対面で凄いこと言ってくれたね。




どんなことを言われても気にしないと言ったけど、さすがにこれは気になる…!





「ちょ、ちょっと待って」





聞きたいことが、たくさん。





「それ、本当?…なんでそんなに知ってるの?」





杉崎永未は、驚いたような表情を浮かべた。





「あ、知らなかった?


じゃあ、このことは、ほとんど周囲に伝わってないんだろうね」





そんなことを、あたしが知っても良いのかな?




疑問はあったものの、杉崎永未が教えてくれるだけの情報を入手した。




教室へ戻ってからも、




そして、今も……




それらの情報は、あたしの頭の中にこびり付いたままだ。





「……」





イケヤンの五人のことを、知ってしまった!




杉崎永未は特に何も言っていなかったけど…、




これはきっと口外してはならない案件のはずだ。




ああ、どうしよう、今日は本当にヤバい!




こんなこと、知ろうとも思っていなかったのに…。





「……」





今からお話しすることは、恐らく全て事実である。




この日ノ出学園高校の理事長は、高橋敬悟と高橋来登の父親らしい。




息子二人が特別科にいる理由は分からないけど、




なぜあの兄弟とその仲間たちがやたら優遇されているのかが判明した。




それは、「トップの息子たちだから」。




なるほど、そういう事情があったわけだ。




腑に落ちはしたけど、正直腹立たしい。




あのコネ集団め、自分たちを棚に上げていろいろ言いやがって…!




あたしだって専願入試を受けた身だけど、




あの男たちはもっと簡単に入学を果たしたのだと思われる。




なぜなら、イケヤンの皆さんは、




日ノ出学園小学校と日ノ出学園中学校の出身だそうで…




いわゆるエスカレーター式だったのではないだろうか。




そもそも、なぜ、この高校は日ノ出というのか。




今まで考えたこともなかったけど、




「学園」とは、小中などの一貫校に付けられる場合が多い。




日ノ出学園高校にも、共通の経営である小学校と中学校があるらしいのだ。




つまり、名前に「日ノ出」が付く学校は、




全て高橋兄弟の父親と親族によって運営されているということ。




ちなみに、日ノ出シリーズは小中学校と高校だけに留まらず、




いくつかの専門学校もそのたぐいであるらしい。




きっと、以前、学校紹介をしに来たところがそれだろう…




ズブズブだな、おい!




と、まあ、この件はこの辺にして――




驚くべき事実が、まだまだある!




新木純成の母親は、あの有名な日用品会社「花一はないち」の元社長だそうだ。




今は身内の別の人物が社長を務めているらしいけど……




あたし、花一の石鹸を愛用している!




新木純成なんかが、花一の令息だったなんて…いろいろな意味でショック。




だけど、社長の座から退くなんて、




新木純成の母親はよっぽど年だったりするのかな?




あたしだったら、病気などで意識がなくなるまで居座り続けるけど。




まあ、それは良しとして!




金城亜輝の両親は、共に有名な芸能人であるらしい。




父親は、テレビでよく見かける俳優・櫻井洋介さくらいようすけで…




母親は、かつて大人気アイドルだった富川幸子とみかわゆきこなのだという。




MJKマジか…。




櫻井洋介だけでもビックリなのに、さらに富川幸子だって?




ママが少し前に言っていた……




自分たちが若かった頃、大スターといえば富川幸子だったと。




しかし、まだ人気盛りの時期、結婚を機にアイドルを辞めてしまったという。




なので、今どうしているのか、誰も知らないらしい。




その謎のアイドルが、あたしと同じ高校にいる男の母親だと知れば…




ママは、きっと仰天するだろう!




内容のわりにあっさり進んで悪いけど…、もう次へ行かせていただく。




遠藤虎男の親族は、




希望の園きぼうのその




という宗教組織を創立したことで知られているらしい。




宗教?




あの遠藤虎男に限って…




疑わしいけど、間違いのない事実のようだ。




宗教って…、なんか怖い。




家に帰ったら、「希望の園」について調べてみよう。




それから、「日ノ出学園」と「花一」と「富川幸子」についても。




知ったところでどうもならないけど…、イケヤンには闇がありそうだ。




アイツらは、想像以上に凄い金持ちだった。




金持ちって、




普通の人たちが持っている幸せを知らなかったりするじゃない?(思い込み)




ヤンキーになっている時点でも怪しい。




正直、けっこう気になる。




まったく、杉崎永未は余計な情報をくれたもんだ。




イケヤンのことも気になるけど、あの女子のことが一番気になるかもしれない。




だって、金城亜輝と付き合っていたにしても、いろいろ知りすぎていないか?




ああ、また問題が増えてしまった。




一気に情報を詰め込みすぎて、目眩がする…。





……




四時間目終了のチャイムが鳴った、次の瞬間。




あたしは猛スピードで教室を飛び出した。




早く行かなきゃ、売り切れる…




いちごワッフルが!




階段を駆け下り、無我夢中で廊下を走り続ける。




買えなかったなんて言ったら、あの女…




中谷美蝶は何をするか分からない。




実際、前にこんなことがあった。





『役立たず』





あたしが命令通りに出来なかった時。





『こんな出来損ないの脳ミソなんか、いらなくなーい?』





そう言って、あたしの頭を指で強く突いてきたり…





『っざけんな!!』





もの凄い剣幕で怒鳴ってきたり…





『言うことを聞けない子には、正当な罰を与えなきゃね♥』





そう耳元で囁いてきたり…。




そうこうされるうちに、あたしの感覚は麻痺したのかもしれない。




机を思い切り蹴られても、中指を立てられても、




しょっちゅう何かを頼まれても…




動じなくなったのだから。




けれど、相変わらず、不安や恐怖は奥底に存在する。




だから、こうして必死に走っているのだ!





「ハア、ハア…」





とりあえず、身の安全を確保したい。




ワッフルをちゃんと買わなきゃ…、




そのことしか頭にない。




本当にバカみたいだけど、これがあたしの高校生活だ。




一年生の頃から今まで、ずっと不本意にも利用されてきた。




卒業の日を迎え、一生の別れをしなければ……




あの女から解放されることはないだろう。




中谷美蝶だけじゃない…、桐島麗華と岡本杏奈からも。




一刻も早く卒業して、解放されたい!




ああ、卒業の日よ、早く来い。




そして…




ワッフルちゃん、絶対にあたしを待っていてね――!




願いながら、さらにスピードを上げた。





「…ああ。ハア、ハァ……」





やっと、売店に辿り着いた。




こんなに急いで来たのに、もうたくさんの生徒たちがいる。




まさか、みんな、いちごワッフル目的?




ヤバい、早く並ばなきゃ!




【大人気♡甘~い、いちごワッフル】




という看板のある方へ行くと、女子たちが周辺に群がっていた。





「おばさーん!」



「いちごワッフル、ください!」



「わたしも!」



「二つ、もらえますかー?」





うわぁ…凄い人気。




やっぱり圧倒的に女子のお客が多いみたい。




ろくに並びもしていない女子たちが、我先へと押し合いへし合いしている。




…まるで、地獄絵図だ。




この状況を知ってて、中谷美蝶はあたしに任せたりなんかしたんだろうか。




ああ見えて、あの女は人混みが嫌いらしいから…。




クソー、なんて日だ!




この大群の中に、あたしも入らなくちゃいけないなんて…。




ええい、やるっきゃない!




気合いを入れて、群れの中に身を投げた。




…が、いろんな人間とぶつかって、押し戻されてしまった。




とてつもない波だ!




だけど、このまま引き返すわけにはいかない…




あたしの闘争心に火がついた。




力尽くでライバルたちを掻き分け、懸命に前へと進んでいく。




そして、手を伸ばした。




…取った!




そう思った瞬間、近くから悲鳴が聞こえた。





「ちょっと、これはわたしの!」





こちらを睨みながら、一人の女子が言った。




彼女の手は、あたしが持っているワッフルを掴んでいる。




グッと引っ張られた瞬間、





「違う!これはあたしの!」





負けじと言い返してしまった。




これじゃ、あたし、ただの食い意地女みたいじゃない。




でも、仕方ない…




このワッフルを買わなきゃ、寿命が縮むことになるんだから!





「…あたしには、身の危険が迫ってるんだ!


あなたはそんなことないでしょ?


頼むから、今回は譲って、お願い!!」




「ハァ?頭おかしいんじゃないの?」





相手の女子がポカンと口を開けた時、思い切り引っ張ってやった。




すると…




ワッフルが、あたしのところへ来てくれた!




作戦、成功!よっしゃー!




ルンルン状態で、ゲットしたワッフルをお会計へ持って行く。




小さな財布の中から小銭を取り出し、支払った直後……





「ひどいよ、あんた!それ、最後の一個だったのにッ!」





さきほどの女子が、文句を言ってきた。




クルクルの茶髪が、怒りのオーラを強調しているように見える。




あたしは首を横に振った。





「ごめんなさい、許して!」





申し訳ないんだけど、どうしてもこれを手に入れなくちゃいけないんだ。




あたしは売店から走り出た。




急がなきゃ…!




まだ息が整っていないけど、再び走りだす。





「ハア、ハア、」





さっきの女子、ごめんよ。




本当はじゃんけんとかするべきだったろうに…。




中谷美蝶さえいなければ、こんなことにはならなかった!




けれど、一番ムカつくのは自分自身だ。




心の中では文句を言いながらも、こうして従順に従っている…




そんな自分にイライラする。




ぶつけようがない怒り、




自らの情けなさに苦悩し絶望すること。




…進真、今、アンタの気持ちがよく分かるよ。




あたしたちは、姉弟揃って、負け犬なのかな。




それとも、中谷姉弟がいなければ違った?




ああ、人生って…大変だね。





「ハア、ハア、ハア、ハア」





息が苦しい。




もう少しで倒れそうだ。




喘息の発作が出るかもしれない。




だけど、教室まであと少しだから……




頑張ろう!




自分を励ましつつ、足を動かし続ける…。





「ハァ、ハ…ア、ハッ」





三年八組の教室に着いた。




中へ駆け込んだ瞬間、クラスメートたちがギョッとしてあたしに注目した。




しかし、そんなことは気にせず……




真っ先に、中谷美蝶の席へ向かった。





「あ、お疲れ様~」





今のあたしとは正反対の、涼しい声。




イラッとしながら、手にしているワッフルを差し出した。




すると…





「汗でびっしょりなのはイヤ。


どうせまだお金払ってないし、原口さんにあげるよー」





予想外の反応。




ちょっと待って…




こんなに必死で買ってきたのに、それはないでしょ。




あたしの汗が、そんなに汚いっていうの?




まあ、キレイではないだろうけど…




酷すぎやしないか?





「ごめんね~、そんなに急いでくれたのに。


でも、それ、あたしいらないから!」





それきり、この女はあたしの方を見ようともしなかった。




というわけで、急遽、いちごワッフルはあたしの物になったのだった。




別にいらないんだけど…。




自分の席に着き、乱れた呼吸を整えようとする。





「ハア、ハア…」





バカなことをした。




無駄に急いで、逆にこんなことになるなんて…哀れもいいとこだ。




恥ずかしくて堪らない。




少し離れた場所から、クスクスと笑い声が聞こえる。




桐島麗華と岡本杏奈だ。




二人して、こちらをチラチラ見ながら笑っている。




ほんと魔女みたい。




あの二人をまとめて言う時は、「魔女たち」で決定だ。




その魔女たちに挟まれ、じっと座っている羊…




じゃなくて、松木さくら。




彼女は、お弁当から目を上げようとしない。




なんだか、あたしや、あたしの状況を見ないようにしているみたい。




なるほど、お馴染みの”傍観”というわけね。




そりゃあ、あたしなんかより、お友達の方が大事よねぇ……




でも、あたしだったら、その二人みたいなのはいらない。




改めてガッカリよ、松木さくら。




カバンを膝の上に乗せ、中から吸入器を取り出した。




スーッと吸い込み、少しの間、息を止める。





「…ハアー」





少しずつ、呼吸が落ち着いてきた。




やっぱり、この吸入器がなくっちゃね☆




そんなことを思いながら、




今となってはあたしの物になってしまったワッフルを見つめる。




…これ、どうしようか?




せっかくだし、どんなもんか、開けて確認してみるか。




スタグラ映えするというのが、どの程度のものなのか…。





「…え。マジ?」





袋を開けた瞬間、無残な姿となったワッフルが出てきた。




きっと引っ張って取り合ったせいだろう…、




ピンク色でイチゴとベリーがのったそれは、真っ二つに割れてしまっていた。




…ガ―――ン。




それは、まるで、今のあたしの心のように見えた。





(※次は特別エピソードです。このエピソードは、敬悟目線となっています)





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