第138話レッドドラゴンとシルバードラゴン




レッドドラゴンに向かって話した。


「この戦いは、避けられないのか?」


「もう既に決まったことよ。諦めて・・・」


「最後に聞かせてくれ。あの塔は何なんだ!」


「行けば分かるわよ。あなたがどんな決断をするか、楽しみだけど・・・」


俺はエナジーを発動して、従魔らも守るように広げた。

その瞬間に、業火ごうかの炎が前面に広がって、魔法の盾が現れては消え去っている。


炎のブレスを凌ぐ、熱量であった。


『親分、熱くなってきたよ』


『押すなよ、これ以上中に行けないって』


スライムらは熱いのだろう。

この炎では、従魔らの攻撃は無効化されしまった。

砲弾のみがわずかにダメージを与えいる。


砲弾が胸に当たり、わずかに後退してるのが見えた。

俺も毒Ⅱを、レッドドラゴンの体内にワープさせようと、努力したが何かに妨害されて出来なかった。


「スラとリップは!頭を集中的に狙い続けろ」


『分かったよ』


『おれっちの攻撃を受けやがれ』


『親分、シルバードラゴンが舞い下りてきたよ』


「こんなやっかいな時に、ドラゴンが2体なんて・・・いい考えがある。成功するか賭けだ」


『賭けでいいからやっつけて』


シルバードラゴンは、下りてきてもすぐには攻撃してこない。

俺の考えていた推理に合致する。

タイミングが大事だ。


業火の炎が止むと、シルバードラゴンが動いた。


「動くな!これはわたしの獲物よ。手出ししないで」


「何故だ・・・役目を果たせ」


「今、やっているでしょ」


又も、大きく口を開けると業火の炎が再開。


この間も、従魔らは攻撃をし続けていたが、レッドドラゴンは器用に首をくねらせて回避。


「頭は止めて、胴体に切り替えろ」


的がでかいだけに、かわし難いだろう。

それにしても、シルバードラゴンが苛立っていることがうかがえられる。


俺の気力やMPの消費が激しい。

高級ポーションで一気に満タンして、更にエナジーを張り続ける。



シルバードラゴンが、レッドドラゴンの攻撃が途切れた瞬間に、レッドドラゴンの前の割り込んできた。

俺はチャンスだと思った。


「よく聞け、毒Ⅱを奴らの頭上にワープさせるから、光線で撃ち貫いてくれ」と念話で知らせる。


「やるぞ!」


50個近くをワープさせて、従魔らは見事に貫いていた。

一気に拡散した紫の粉が、ドラゴンをおおい尽くした。

毒攻撃は成功。

ドラゴンのウロコが変色して壊れだした。


2体ドラゴンが、羽ばたいて離れている瞬間に、2体の間に割り込んだ。


「スライムは、この毒Ⅱを撃ちだせるか?」


『撃ちだせるよ』


毒を出し続けて、スライムらは早速撃ちだしてる。


ドラゴン2体は、堪らず口を開けてレッドドラゴンは業火の炎を放ち。

シルバードラゴンは、紅蓮の炎を放った。



俺は、紅蓮の炎を見て確信した。

その瞬間に、俺と従魔らをワープさせて、我が家に帰った。


『あれ、ここは我が家だ』


『本当だ』


『親分、何故・・・』


「お前らは、ここで待機だ。俺が確認してくるから待っててくれ」


「あら、おかえり。どうしたの」


「今から、また出かけるから心配しないでくれ」


「それは、どういうこと・・・」


俺はワープを発動して戻った。


やはり大きなクレーターが出来ていた。

シルバードラゴンもレッドドラゴンも居ない。



シルバーの魔石とレッド色の魔石を回収。


2体のドラゴンの攻撃が重なり大爆発が起きた。

それによって、2体は消滅。



いよいよバべルの塔に入る。





※業火 地獄の罪人を苦しめる猛火。激しい炎や大火のたとえに使われる。「地獄の業火の責め苦」

※紅蓮 仏教で、紅色のハスの花の事。八寒はちかん地獄の第7番目「紅蓮地獄」を略して紅蓮と呼ばれる。この地獄に落ちた者は、酷寒こっかんのために皮肉がはじけ裂けて血に染まり、紅色のハスの花のようになることから、この名が付けられた。

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