第135話炎のブレス




手に入れたカードを見続けて、炎のブレスカードはグフしか適任者はいない。

なぜなら、口があるのはグフだけだし、リップは植物なので燃えてしまう恐れがあった。


「グフ、炎のブレスを習得したいか?」


『習得したいよ』


グフに向かってカードをかざして念じた。


『習得したみたい』


「どんな物か、ブレスを見せてくれ」


『いいよ』


空高く舞い上がると、口を開いて炎のブレスを吹き出した。

細い炎が広がり、10メートルにも広がって、物凄い熱量だった。


下から見ていたライムが、『アツ、熱い』と逃げていた。


『あれなら、リップも丸焦げになってたね』


『なに、おれっちには障壁があるんだぞ』


『そうか、そんな物を持ってたな』


「そんなことより、グフは凄いぞ」


『グフ、凄い、凄い』


『エヘヘヘ』




急に空が暗くなったと思い、見上げる。

するとあのコガネムシの大群が空を黒くしている。


『ここは任せて!』


グフが積極的に前に出てきた。


「ヨシ、任せた!」


襲ってきたコガネムシに向かって、グフの炎のブレスが吹き出し続けた。

燃えながらコガネムシが、雨のように降ってきた。

地面に落ちたコガネムシは、なおも燃えている。

黒焦げになって地面を、黒い地面に埋め尽くした。


『グフ、凄い活躍だね』


空を駆け回り、喜んでいる。


『グフ、魔石喰ってもいい』


『いいですよ』


『了解を取った!急いで喰うぞ』


グフの喰らう魔石は、充分に残す常識はあるようだ。




しばらくして、ドスン、ドスンと地響きがして、偵察のアイが叫んでた。


『巨大な黄金のゴーレムがきたーー』


森の木々を踏み倒して、黄金のゴーレムが現れた。

踏み出す一歩で、スライムらは空中に跳ね上がってしまう。


それでも反撃するスライムの光線が、黄金ゴーレムに当たるが、反対側から光線が突き抜けてもビクともしなかった。

何のダメージも与えていなかった。


ツタのエランドの槍の攻撃も、体を突き抜けていてもダメージがない。


「何故、ダメージがないんだ」


『不思議だね、何故・・・如何して』


『そうだ、そうよ』


グフが炎のブレスを吹き出した。

ゴーレムは左腕で防ぐが、左腕が溶け出している。


「ガウー」と叫んで、体が積み木が外れるようにバラバラに分解。

その小さな部品が飛行して反対側で、カンカンカンと積み重なり、黄金のゴーレムの完全体が出来上がった。

しかし、最初より少しサイズが小さくなっている。


グフとピーが何度も溶かし、何度も組直して、2メートルまでになった瞬間。

リップが掴み上げて、花の中に放り込んでいた。


『不味い物を喰ってしまった』


『不味かったの』


『味がしなかったな・・・』


『そうなんだ』


俺は黄金カードを20枚も手に入れていた。




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