第134話でかい恐竜




あれから何体のゴ〇ブリを倒したか、分からなくなっていた。

スライムらは円状に配置して、低い位置を撃ち続けた。

リップとツタは、中間位置を主に狙い続け、アイとグフは空の高い位置から撃ち続けている。


俺は、従魔らに毒が触れないように、エナジーで守りに徹している。


『親分、奴らは何時まで来るの』


「もうすぐ終わるだろう。それまで辛抱してくれ


『親分、奴らのボスが出てきたよ』


成る程、高さ3メートルもある巨体に、でかい頭から触覚を伸ばし、でかい口アゴで威嚇いかくしている。


「スラとリップ、大砲を撃ち続けろ」


『おれっちが、仕留めてみせるぜ』


凄い砲弾が撃ち出されて、右前足が吹き飛んだ。

スラの砲撃も右肩に命中。前のめりに傾いた。


アイとグフは、負傷した右肩を狙い撃ちつづけた。

スライムらは、押し寄せるゴ〇ブリを倒し続けている。


スラとリップの砲弾が頭部に同時に命中。

頭部ごと吹き飛ばしていた。

力つきて、頭部から赤黒い液が滴り落ちていた。

ボスゴ〇ブリが倒れた瞬間に、あっちこっちのゴ〇ブリが倒れだしている。


「終わったのか?」


『終わった・・・』


『終わったよ』




『ライムが、おいらのを取った』


『まだ、向こうにもあるから、向こうにいけよ』


なにやら、魔石を喰うのに忙しそうだ。

俺は、少しばかり魔物の襲来に警戒して周りを見ていた。



微かに音がして、集中して聞き続けると、音が向かってくることが分かった。


「アイ、悪いが高い所から見てくれ」


『主、分かり申した』


凄い速さで舞い上がり、ピタリッと止まり。


『でかい恐竜・・・・・・たしかティラノサウルス。間違いなくティラノサウルス・・・』


木がなぎ倒される音が響いた。

従魔らも食事タイムを中断して、戻ってきた。



目の前の木の上から、ティラノサウルスの顔が覗き込んでいた。

口を大きく開けて、でかい牙がびっしりと並んで生えていた。

滴り落ちる唾液が、地面を溶かしている。


俺は、雷撃野太刀で気を流して振り切っていた。

クビを狙った一振りだったが、奴はクビを引っ込めて上手くかわしやがった。


キーが、雷撃を複数も落とし続けると、右方向へ移動。


グフは風の刃で、アイは光線で、右方向を絶え間なく放った。

いた堪らないのか、木を倒して躍り出てきた。

「ギィアーー、グフッ」と叫んで前進してきたが、開いた口にスライムの光線が集中。

何本もの牙を吹き飛ばした。


口から血が流れ落ちて、凄い形相で睨み付けた。

負傷した口を更に開けて、攻撃をしようとしていることは分かっていた。


「今だ!」


再度、従魔らのありったけの攻撃が、口の中へ絶え間なく続き、後頭部を貫通。

崩れ落ちて倒れた。


『親分、終わったね』


『食事の再開だ』


『そうだ、そうだ』




その後のカードは、毒カード203枚と炎のブレスカード1枚だった。



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