第128話シルバードラゴン




グフが案内した所には、何もなかった。

無いと言うより、野球場程のひらけた土地だけがあった。


「ここが、光線の発射された所なのか?」


『ここですよ、ここで光線カードを発見しましたよ』


『親分、それはピーが回収したから間違いないよ』


「そうか、それなら魔物が復活していないのは、何故だ!」


『主、何かが来ました』


辺りが急に暗くなり、俺達の前にシルバーに輝くドラゴンが舞い下りてきた。


『最近騒がしいのは、お前らか?』


何故だ、従魔以外で話せる魔物が居るなんて。


『何を不思議がっている。お前しか知能がないと見くびっていたか?』


冷静に考えよう。


「あなたに聞きたい。俺ら人間に何を求めているのですか?」


『わたしの主は、あの塔の最上階に居る。答えを求めるなら最上階まで来るんだな』


「あなたは、何者ですか?」


『ワシは、あの塔の守護者だ。ワシと戦いたければ塔まで来い』


その言葉を残して、飛び立っていた。

下りる時は、静かに下りていたのに、今は暴風が立ち込めて目も開けていられない。


「アイ、シルバードラゴンは何処へ行った」


『あのバベルの塔へ、行きました』


取り敢えず、あのバベルの塔が俺達の目的地で間違いない。


しかしあのシルバードラゴンを、倒すことが出来るのか?

出会った時には危険探知の警告はなかった。

それは、シルバードラゴンに襲う気が無かったからかも知れない。


『親分、どうした。あんな奴、おいらが今度会ったならやっつけてやるよ』


「倒せそうか?」


『倒せるよ。皆でやれば』


「そうだな、皆でやれば出来ると信じよう」


『そうだ、そうだよ』


『主、又も変な物が来ましたぞ』


見上げると、球体が50個以上が空中に浮かんで包囲されていた。

球体から「ビビバッチ」と放電していて、触れると感電死しそうな放電だ。


『親分、このキーに任せろ』


そう言って、凄い雷撃を球体に落とし続けた。

倒せていないが、球体の動きがふらついている。

今がチャンスだと、従魔らが光線を放った。


『親分、この光線で仕留めたよ』


スラの光線が、次々に倒していた。

アイ・ピー・四郎・五郎も負けないぐらい、光線を放った。

グフのみが、風の刃で斬り裂いている。


残り10球で、正気に戻った球体はかわすようになり、放電を2メートルから5メートルにパワーアップ。

そして、スキをついて突撃してくるが、俺の雷撃野太刀でふらつかせる。

その途端に、光線によって撃ち落とされていた。


俺とキーによって時間が掛かったが、ふらつかせてから従魔が光線で仕留めた。


魔石を喰い終わった従魔が、カード1枚を持ってきた。


雷魔法


雷系の魔法が使える


なんと雷魔法だ。

早速、念じてみた。体の中を電流が走り、雷魔法の知識を得た。


これで、黒魔法・風魔法Ⅲ・土魔法・炎魔法・雷魔法の5つの魔法を習得したことに成った。

俺の知る限り、3つまでが最高だったが、2つも多く習得したことになる。



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