第127話赤いスライム




誠黒ダンジョンを更に進むにと、目の前に赤いスライムが現れて、こちらを見ていた。


『親分、このスライムはピーに任してもらうよ』


「大丈夫なのか?」


『平気だよ、ピーは強いんだよ』


ピーと赤いスライムが、互いを睨み合っている。


俺は、火魔法が炸裂すると思い、従魔らと共に後ろへ下がった。


あ!なんだ赤いスライムが膨らみだして、高さ3メートルまでなっている。

するとピーも、同じように膨らみ4メートルまでなって、襲い掛かった。

赤いスライムは、抵抗するもなす術も無く飲み込まれていて、そしてピーの体内でしばらくもがいていた。

徐々に元の大きさに戻ったピーは、俺らの方にピョンピョンと跳ねながら戻ってきた。


『親分、カードだよ』


ピーの体の上に、1枚のカードを発見。



火耐性


火に対して、耐性が異状に上がる



耐性系のカードが手に入った。

早速、念じてみた。

少し体内の温度が上がっていき、体全体が暑く感じる。

そして、徐々に元の温度に戻った。


防御スキルには、火耐性と表示。


「ピー、何時からあんなに大きくなれた」


『知らない。よく覚えていないよ』


『親分、キーも同じように大きくなれるよ』


そう言って、徐々に大きくなったキーがいた。


「分かった。元に戻ってくれ」


『親分、ダメだよ。ほら、あそこにスライムが現れたよ』


成る程、さっきの赤いスライムが両側から挟むようにして、徐々に体を膨らませていた。

キーは、そのまま片側のスライムに突進。

もう片方は、ピーが大きくなって迎え撃った。



キーの体からの放電で、相手のスライムは硬直。

そのまま飲み込んだ。


もう片側のスライムは、火球を上空に発生し終わっている。

そして赤いスライムから火球が放たれたが、同じようにピーが火球を撃ち返して、中央で爆音と熱が一瞬で広がった。

先程の火耐性で、余り熱さは感じなくなっている。


グフとアイは、その熱さを回避するように、空高くに避難。


更に撃ちだす火球の数が半端ない程で、中央が爆音と熱で酷いことになっていた。

しかし、次第に赤いスライムが負けだした。

そのスキをついて、ピーは飛び付きまたも体内に取り込んだ。


『モグモグ・・・少し骨のある奴だな』


『親分、カードは無かったよ』


「そうか、残念だ」


今回は両方ともカードドロップは無かった。


「ピー、手こずったが大丈夫か?」


『親分、失敬な。火球の練習をしていただけだよ』



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