第121話ガーゴイル




メタルカードを充分に手にいれた。

これであの国にも、充分な車両が輸出されるだろう。

あの新幹線も俺の思いつきだった。


あの国のインフラは酷かった。

普段の水が濁っているのは当り前で、俺には飲めなかった。

日本からも浄水施設の援助がなされることになった。

1週間後にも、又行くことになっている。



もうメタル系の魔物退治は充分だ。

従魔も魔石を喰らって、満足しているだろう。

一気に挑戦ポイントへワープ。



そして警戒しながら進んでいると、急に暗くなり上を見上た。


『敵です、主!!』


ガーゴイルの大群が急降下していた。


既にアイとグフは戦闘を始めている。

アイの光線で撃ち抜かれたガーゴイルは、壊れた石像のまま降注いできた。

リップは、細い根で上手く側面に触れて、軌道を変えて当たらないようにしている。


ツタも同じようにかわして、エランドの槍で撃ち落としていた。


キーやピーのコンビも、体に当たる石にお構いなく攻撃を繰り返している。


ライムは俺の傍らで、俺を守るように降注ぐ石を溶かしていた。


他の従魔は、我が家で瞳を守るように言いつけている。


「ライムも俺を守らなくていいぞ」


『本当に大丈夫なの』


「大丈夫だ。ライムも戦ってくれ」


『わかった』


なんと、降って来る石を足場にして、次々に上に向かって飛跳ねて、ガーゴイルに激突。

頭部に穴を開けて、次のガーゴイルに飛び付いていた。


ライムが、あんなことが出来るなんて知らなかった。

感心してばかりいられない。

俺の周りにエナジーを展開して、身を守りつつ襲ってきたガーゴイルをエナジーで仕留める。



グフとガーゴイルの戦いは、激しさを増していた。

互いに風魔法で攻撃しているが、グフの方が断然に強いのだが、四方からの攻撃をかわしつつの攻撃の為、手間取っている。


しかし、地上からの攻撃が激しさを増したので、空と地上の攻撃に晒される羽目になり、次第にガーゴイルの数を減らしつつあった。


そして長い時間の戦いも、ようやく終わりをみせた。


地上に落ちた魔石を、がむしゃらに喰らう従魔を見ながら、俺1人でカードを回収。


風魔法カード21枚と浮き石カード63枚を手に入れた。



浮き石


空中に浮く石



1枚を具現化させると、10センチ程の石が現れて空中に浮かんでいる。

ただ単に浮いてるだけの石で、指で押してみると少し動いたが、徐々に動きが鈍り止まってしまう。

メタルⅢみたいに動くことは無さそうで、ただ浮いているだけだ。

これも使いようがあるだろう。




あれ!こんな所にでかい岩石があったか?

急に岩石から何かが飛び出して、俺を襲い掛かった。

喰われると思った瞬間に、魔法の盾が防いだ。


俺は後ろに飛跳ねて、ようやくソイツの正体を知った。


岩で出来た巨大なカメだった。

周りの従魔も慌てて攻撃をするが、ことごとく硬そうな岩に阻まれている。

キーの雷撃も、体の外側を伝って地面へ流れた。


ライムの水弾も、硬い岩を濡らすのみで溶かすまでいかない。


俺の持てる攻撃も、ことごとく阻まれた。

そして、黒魔法までも全然通じない。

あの硬い岩が邪魔だ。ならば内部から攻撃すれば良いはず。


【黒空間】から、必死に探し見つけ出した。


俺は毒袋を取り出して、やったことがないが一生懸命に念じて、カメの内部にワープしろと念じた。

なんと成功。

しばらくしてカメは、血反吐ちへどを吐き倒れた。


魔石1個とカードが1枚があった。


完璧な盾


あらゆる攻撃から守る


成る程、凄そうな盾だ。



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