第120話ジバ隊員募集




我が家で清々しい朝をむかえた。

朝風呂に入ろうと、露天風呂へ一歩を踏みだすと、何故かスライムの数が多い。

数えると11匹で2匹多い。

しかし見知らぬスライムは居ない。

何故だ・・・?


何度も何度も数えて、ようやくピーとキーが2匹づついる。


「お前は、誰だ。偽者か?」


『何を言っているの親分、そっちはおいらで、おいらはおいらだよ』


「言ってることが全く分からん。もっと分かりやすく言ってくれ」


『どうもこれ以上の進化は無いので、2つに分かれただけだよ』


「成る程、すると名前を付けるか?」


『ダメだよ。おいらはおいらで、そっちもおいらだから名前はそのままだよ』


『そうだ、そうだ』


「分かった。それで良いのなら、そのままな・・・」


俺は何となく複雑な思いだ。

すると後のライムとスラも増えるのか?

レベルが低下する訳でないので、まあ良いか・・・?




そして、俺ら夫婦揃って神戸のジバ組織の、関西支部へやって来ている。

ここ1・2年の支援スキルの多種多様に、対処出来なくなったジバ組織が強化する為に隊員を募集。


九州支部・関西支部・関東支部・東北支部の4ヶ所で同時に行なわれている。


俺らは、その募集候補の面接補助に呼ばれた。

最初は断ったが、よい隊員が入れば俺の依頼も少なくなると言われ、瞳も興味があると言うのできている。


今回の募集は、ジバの存続にも直結するので、待遇面でも優遇されていた。

給料が一気に2倍にもアップ。

福利厚生も充実させて、女性の出産後のケアも充実。

出産後の復帰もいつでもOK。待遇も以前のまま引き継がれるらしい。

ジバの組織は、女性隊員の掘り起こしを狙っているらしい。

他国の女性隊員に、ずば抜けた支援スキル持ちが多い為であった。



瞳は面接官の隣に座って、質問までしている。


「あなたは、この職業に何を思いますか?」


「え、はい、有意義な職業だと思います。不正をする人は絶対に許しません」


「それでは、もう1つ聞きます。不正とは何ですか?」


何と手厳しい質問をしている。

瞳は瞳らしい質問で、何が聞きたいのだろう。

少し年配の人にも、手厳しくズバズバと質問をして、隣の面接官まで驚かせていた。



俺は、待合室や廊下をぶらぶらしながら、これはと思う人の名札番号をチェックしてタブレットで送るだけ。

中々の人材が集まっていた。

今回は、地上でも戦える支援スキル持ちを探している。

隊長から探してくれと、何度も言われたので、入念にそれとなく探している。


俺は相手の考えを読みながら、多種多様の支援スキルに出会えて良かったと思った。

今後の戦いに参考になった。


あ、あの男は、ベッカムと同じ魅惑を持っている。

しかし、女性を誘うだけしか使っていない。

もしも1対1の戦闘時に、話し掛けて戦えば味方に引き入れる可能性が出てくる。


早速、チェックして隊長に送っておこう。

1回目で選別されて、2回目の面接で隊長がスキルを見て確認。

その結果で隊員に選ばれる。


今回は何人が採用されるのだろう。



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