第107話KAMITO弁護事務所




神戸の元町駅を下に行き、海が見えるビルの10階にKAMITO弁護事務所がオープン。

出資者の俺も顔を出していた。

猪野研究所からも出資がなされ、和也も内輪のオープンパーティーに参加。


当初は5人だった弁護士が、更に増えて10人に成っていた。

5人が優秀な弁護士を誘い入れた。

そしてダンジョンでは活躍しない、支援スキル持ち数人を調査員として雇い入れている。


「すまなかったな、誠」


「充分に気を付けてくれよな、俺自身が会わないようにしていたのに」


「そうだよな、身辺警護が警護する人の秘密をばらすとは、思わなかったよ」


「俺もそう思った。日本では滅多におき無いことだよ、それでどうなった」


「ここの美咲みさき先生に頼んで抗議して貰ったよ。そのお陰で、秘密厳守の身辺警護人に代わったから大丈夫だと思う。それに謝罪と二度とさせない確約も貰っている」


「あら、わたしの話しをしていたみたいね」


「それで書類提出の件は、どうなりました。望みがありますか?」


「大丈夫よ、提出が通らないなんて理不尽よ。ここには私の全財産をつぎ込んだのだから、通らせて私の実力を見せびらかしてやるわ」


「その件なら、書き終えてますよ。後は青柳さんのサインで提出が何時でも出来ます」


「あら、工藤君、そんなことを言って受理されなかったら大事よ。おむつ交換した私の身にもなって」


「美咲先生、いくら母親の親友でもこんな場で言わなくても・・・」


この事務所で冒険ハンターの対応をお願いする予定。

今回の事件で、参加したメンバーにも一応、声を掛けたので何か問題が発生したら連絡が来る筈。


当面は新開発の特許申請がメインだが、俺の冒険者の問題解決を本格化する予定だ。

ここの弁護事務所は、ダンジョン関係を専用に取り扱う事務所として、活躍してくれるだろう。


そして依頼拒否の提出が認められたなら、弁護事務所が冒険ハンターの仲介になる予定。

資本主義の国々では、仲介は当り前で値段交渉も行なってくれる。

それだけの金額は取られるが、それだけの仕事もしてくれる。

拒否期間の依頼を受けた場合は、高額な金額が支払われる傾向が一般であった。



何故なら、ここ最近は冒険者の支援スキルがレアな場合が多く、手軽に犯罪を犯しても知られないケースが多い。

それにはジバも対応仕切れていないのが現状。

それだけ支援スキルが巧妙な物が多いのだ。


その中でアメリカの冒険ハンターは頭角を現していた。

そのせいでアメリカは、その分野でも専門事務所が大きな力を持つようになった。

しかし、日本はまだまだ遅れた分野でもあり、法整備も遅れている。

訴訟そしょうを余りしないのが、その分野で遅れる原因でもあった。


そんな中でアメリカの大手の弁護事務所が、日本を狙っているらしいと噂が俺も聞いていた。




我が家でのんびりと過ごしていた頃に、メールが届いた。


【依頼拒否期間の提出が無事通りました】

・・年・月・・日



依頼拒否が通りましたことをお伝えします。

今後、依頼は私どもを通して行なわれます。

ギルドで何かあれば、弁護士を通して下さいと言って下さい。


詳しい内容は追って、速達で送ります。



KAMITO弁護事務所


連絡先・・・・・・・・・・

住所・・・・・・・・・・・



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