第83話ライオン




俺らはライオンの群れに遭遇した。

イヤ、違うな待ち構えて居た。

メタルボディのライオン100頭の群れの奥には、ゴールドボディのライオン1頭が座って見ている。


「協力して倒すぞ」


『わかったよ、親分』


『おれっちに任せろ』


俺の危険探知がゴールドボディのライオンを危険だと知らしている。



ライオンが狙ったのは、始や仁助のスライムだった。

2頭で五郎を押さえつけ、かぶり付いているが中々噛めないでいる。

そのスキに四郎と三郎が1頭のライオンに跳び付き、徐々に消化していて抵抗するも消化しきった。

噛まれていた五郎もそのライオンの頭部に絡み付き、同じように徐々に消化して頭部半分が消化して倒した。

このライオンは頭部が普通に弱点のようだ。


「頭部が弱点だ。頭部を狙え!」


『わかったよ』


そう言うとキーが、ライオンの頭部に雷撃を落とした。

そのまま硬直した状態で、そのライオンは動かなくなって息絶えた。


頭部を狙われ出したライオンは、飛んでくる攻撃をかわすのに右往左往している。

そこへ空からの攻撃が加わった為に、数を減らす速度が増してしまった。

わずか20分程の出来事だった。


1頭になったゴールドライオンが大きく吠えた。

その途端に従魔らの動きが止まる。

空のアイとグフは距離があった為に効果が及んでいない。

コイツも威嚇いかくで相手を硬直させるスキルを持っていたのか?


「お前ら、目覚めろ!!」


俺の一喝いっかつで正気に戻す。

これも従魔強化の繋がりが成せる繋がりだった。

又、威嚇されると面倒だ。【黒球】を2発も放った。

その2発をかわしたが、そこへアイの光線をまともにくらったが平然としている。

頭部の額に当たったのに、ダメージを負った素振りもみせない。


キーの雷撃がゴールドライオンの頭部に落ちた。

それでものそりと動き、俺らを睨みつけている。


すると突然にゴールドライオンの体から翼が生えて飛び立った。

アイに向かって威嚇を放ち。固まったアイは落下している。


「ツタ!どうにか受止めろ」


落下地点に近かったツタに命令をする。

ツタはネット状になってアイを上手く衝撃を逃がして受止めた。


俺はアイに向かって一喝して正気に戻す。


そしてゴールドライオンへ【暗黒球】を放つ。

迫ってきた【暗黒球】をかわすゴールドライオン、しかし軌道を変えて追尾する【暗黒球】。


ゴールドライオンは物凄いスピードを出して逃げている。

【暗黒球】の稼動時間の1分が経過してしまい消えてしまう。


ここで仕留めてみせる。余りやらないが【暗黒球】を2発も放った。

今度はゴールドライオンも焦っている。

ラスト1秒で右翼と右足を食らい付き、右翼と右足を消滅させることが出来た。


地上に叩き付けられたゴールドライオンは、どうにか3本足で立ち上がった。

たてがみがふわりと膨らむと、ゴールドライオンから放たれた。

一本の真直ぐな針状になって、俺らに向かってくる。


俺は土魔法の【防壁】を従魔らを囲うように作った。

その【防壁】は針の攻撃が終わりかけた時に、役目が終わったように崩れ去った。

満タンだったMPも【防壁】を発動して維持した為にMPは、半分まで減ってしまっている。


「ゴールドライオンへ集中攻撃だ!!」


一斉に従魔らの攻撃が放たれ、左翼が切り取られ後ろ足も、もぎ取られた。

動けない状態の頭部に攻撃が集中すると呆気なく爆発。

従魔らはそれでも攻撃を止めないまま、攻撃をし続けて体も破壊しつくした。


ばらばらになったゴールドライオンの所へ駆け寄ると、魔石とカード1枚があった。

でかい魔石を従魔に投げてやると、リップがキャッチして従魔らと話し合っている。

誰が食らうかの話し合いでもしているのだろう。


俺はカードを見た。


威嚇


相手を硬直させて動けなくする


これはスキルだ。早速、自分自身に念じてみせた。

体を駆け巡る電撃の衝撃が威嚇とは何だと知らしめていた。

俺はこれが威嚇なのだと実感する羽目になった。

そして威嚇は支援スキルの分類に入っていた。


今度は地上で威嚇を使えば、逮捕も楽になるかもと考えてしまう。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る