第54話新たな出品
兵庫地方ギルドにようやく着いた。
ここだけが神戸の街に比べて、緑が多く空気も
1度来たから荷物チェックと身体チェックも済ませて2階の7番窓口へ。
ここの窓口だけが、順番待ちがなく職員に話しかけた。
「オークションに出品したいのですが?」
「それでは、冒険者カードをこちらに差し込んで下さい」
言われる前にカードを準備していたので差し込む。
「・・・あなたは、青柳誠!今回も木の実ですか?」
「今回はわたしのカードマスターの、カードを出品しようかと思ってます」
「え!カードマスター・・・成る程、でしたら物に戻して出品するべきでは」
「普通のカードで無く、AGI強化のカードで人間のAGIを5ポイント追加される物なんです」
「もしかしてステータスのAGIを上げられると言うことで間違いありませんね」
「そうです。ただしダンジョン内でしか使用出来ない物で、わたしとダンジョンに潜る必要があります」
「分かりました。少し上司と相談しますのでお待ち下さい」
又もや警備の2人が付いて来て、前より小さな会議室に案内されて俺1人だけが残された。
俺の全範囲探知で調べると、部屋には隠しカメラまで設置されていて、ドアの外には警備の2人が立って警戒中。
なぜか前回より厳しい状況。
この部屋をモニターに映し出し、4人で話し込んでいる。
全範囲探知は会話まで聞けないのが難点。
何を話しているのか気になるが待つしかない。
ようやく会議室に3人が入ってきた。
「前にお会いした風間です。今回はカードだそうですが見せてくれますか?」
俺はカードを3枚を取り出して、テーブルに1枚1枚確認しながら置いた。
風間が1枚を取ってあれこれ見ている。
あの女性も1枚を取って、入念に調べていたが「鑑定できません」
「何!東条が鑑定出来ないって、どうなっているんだ」
あ、そうか俺もカード鑑定が出来るようになったのも、経験を積みレベルが上がったせいだ。
俺が普通に読める文字も、以前は模様でしかなかった。
あの光っている絵柄では、何のカードかも分からないだろう。
これではオークションに出品出来ないかも知れない。
3人でひそひそと話し込んでいる。
どうも少しもれてくる話しの内容では、結果の出ない話しになっている。
突然、会議室の電話が鳴り、女性が出た。
「はい・・・風間ですか・・・はい」
険しい顔で風間に受話器が渡されて、風間は怪訝そうに受取る。
「え!・・・そんな保証は出来ませんよ、それでもいいんですか?・・・はい・・・分かりました」
風間は少し考えてから、椅子に座りなおして話し出した。
「もう1度、このカードの効果や使用に対しての話しを聞かせて下さい」
「わたし自身がダンジョン内でこのカードを使用しました。カードはわたし自身が念じないと効果を発揮しません」
「もしかすると、カードには制限があるのでは?」
「はい、人間1人に1回しか使用できません。なのでわたしのステータスもAGI+5と表示されます」
「もし落札した場合は、ダンジョンは何処に潜るのですか?」
「勿論、多々良ダンジョンに潜ってもらいます。苦しいですが効果を得るには苦労も付きものです」
「他のダンジョンではダメですか?」
「ダメですね。カードマスターがふらついて念じることも出来ませんから」
「そうですか?」
「この紙に、わたしの知る限りのことは書き込んでます。参考にして下さい」
内容はカードホルダー・カード鑑定の使用方法だけで、従魔のことは秘密だ。
「成る程、カードマスターにはそんな能力も有ったのですか?」
俺は3枚のカードを預けて、兵庫地方ギルドを出てきた。
駐車場から軽自動車で出て、真直ぐに多々良村へ向かって走っていた。
走っている途中で「あ!そうか」と大きな声をだしていた。
ワープで兵庫地方ギルドに行けたと気付いた。
アメリカでもアイツから偽造カードでも作れば、アメリカ内なら何処でも行けそうな気がする。
偽造カードがばれると、更にヤバイがワープで帰れば追求出来ない。
嫌々、顔認証で
今は行く予定も無いし・・・
・ ・ ・ ・
「情報員から新しい情報は入ったのか?」
「最近アメリカへ行ったそうです。ほぼ日帰りに近い海外旅行です」
「アメリカで何をしていた」
「拳銃を撃っていたと報告があります。そして空き家に入って行方不明になったと言ってます」
「見逃したのか?」
「どうも厳重に見張っていたのに、中々出てこないので調べると誰も居なかったと報告がはいってます」
「やはり逃がしたな」
「それは有り得ないと言ってます」
「わたしも確認したのですが、空き家以外取り壊されていて、隠れて逃げ出すことは不可能です」
「君までもそんなことを言うのかね、実際に居なかったんだろ」
「・・・」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます