第50話新たなダンジョン耐性
21階層では【雄鶏の王冠】カードのみがドロップ。
俺が倒して手に入れた魔石は、6個しかなく全て従魔らの腹に収まっている。
ここの階段も発見したので、思い残すことはない。
ステータスオープンから始まりダンジョンワープを表示。
日本地図から白い点を見てゆくが、あれこれって神戸の六甲に白い点がある。
しかし、俺の記憶にはそんなダンジョンは存在しない筈。
もしかするとまだ発見されてないダンジョンか?
「ダンジョンにワープするから掴まれ、グフはこっちだ」
グフは初めてなので俺が優しく掴まえていると、
『親分、そこはこそばゆい』
変なところが感じるのかと思いつつ、別の場所を掴まえる。
知られて無いならば好き勝手に出来て都合がいい。
ここに決めた。
すると階段が1階と10階と20階の3つから選べられるらしい。
1階と10階はスルーして20階に決める。決めた瞬間にどうやら赤のダンジョンに既にいた。
通路の壁が少し赤みかかっている。そしてここも一本の通路が伸びて俺たちを待ち構えているように感じる。
ここを進めば魔物が居るのは分かりきっている。
「他のダンジョンだ、手強いかも知れないから引き締めてゆくぞ」
『分かっているよ親分、おいらに任せて』
期待させることを言うが、ピーは【火】属性のスライムで大丈夫かと思ってしまう。
ピーは元気よく飛び跳ねて進んでいて、他のスライムらも同じく飛び跳ねてあとを付いて進んでいった。
そいつは炎を
アイの光線が人型に襲うが、当たっている筈なのに平気で、今度は左手から炎を出しアイを襲いだした。
アイは、かろやかにかわしているが、諦めずに襲い続けている。
ライムの水弾が腹に命中して、大きな穴が開いているのに、なおも動き回る炎の人型。
キーの雷撃を食らうが、一瞬動きが止まるだけで活発にかわし炎の攻撃はやまない。
唯一ダメージを与えた水弾の穴も、いつの間にか再生されて穴が塞がっていた。
風の刃が人型の額を襲うが、両手で防いだ。
その時にこの人型は、[やばい]と思い浮かべたので「額を狙え!」と叫んだ。
その瞬間に額に集中する攻撃に成す術もなく炎の人型は倒れた。
『やったね親分』
「なんとか倒せたな」
『親分カードがドロップしたよ』
スラが頭に載せてきたカードを貰い確認する。
ダンジョン耐性【雷】
雷の耐性が付く
ステータスオープンから始まりダンジョンワープを表示。
日本地図から白い点を見てゆくが、やはり黄のダンジョンが開放されていた。
20階層のボス魔物を倒すことで、次のダンジョンが開放される。
そう考えるしかないだろう。
ピーが俺の足を引張り、
『上にいって魔物退治していい』
「俺は地上に戻って温泉に入ろうと思っているから無理だろ」
『いや違うよ親分。今は強くなったから離れていても大丈夫だよ、強く念じることでおいらの場所も分かる筈だよ』
「俺が上で温泉に浸かっていても平気なのか?」
『互いに繋がっているから平気だよ』
これは、従魔の新たな進化かも知れない。このまま従魔に任せてみよう。
「ここのダンジョンで好き勝手してもいいが、もしも俺以外の人間を見たら逃げるんだぞ」
『キーも逃げ足は、はやいから大丈夫だよ』
『大丈夫、大丈夫だよ』
「他の従魔らどうする」
『主よ、わしらも戦って強くなりたいと存じます。皆はどうだ』
『なりたいよ』
『親分まかせて』
「ヨシ分かった。俺は地上に戻るからな、何かあれば呼べ」
『親分、行ってらっしゃい』
『バイバイ』
俺は【はい】を触り地上に戻った。
我が家の居間に、俺だけが1人で立っていた。
なんだか子供が親別れしたような感覚で少し淋しい。
露天風呂に浸かり、タブレットで最新のニュースを見て、ダンジョン漬けから開放させる。
他愛もない芸能人の不倫騒動、この男優はいけ好かないが、実際に不倫をしてたのか?
あ!スマホが鳴っている。
「ああ、そうか・・・なんだって・・・誰なんだ・・・明日の昼には行くよ・・・分かった」
猪野から、例の魔石を2つ用意して欲しいと頼まれた。
それに会わせたい人が居るそうで、誰に会わすのか会ってからのお楽しみだと言っていた。
再度タブレット操作していて、よその国だが冒険者を狙った連続殺人事件が発生していた。
俺はアイツの言葉を思い出した。冒険者を殺してレベルアップをしたと言っていた。
するとこの殺人者は強い支援スキルを持ち、高いレベルの人間だと言える。
そんな人間は
よその国で助かった。
次は離婚騒動が取上げられている。
レポーターの辛らつな質問は見ものだった。
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