第45話カード6枚




ツタがウキウキしながらピーを連れてやってきた。


『ピー、みせてやって』


『親分、カードだよ』


そう言って6枚のカードを吐き出した。

カードを拾うと1枚を見た。


俊足のブーツ


走る速度がはやくなる


AGI+6

DEF+1


なんとそんな凄い効果が有るのか?

これは何からドロップした。


『あれは6本足の狼だったよ』


『そうそうめちゃくちゃ速かった』


『おいらの炎壁えんへきにぶつかって、勝手に死んじゃった』


途中からライムも参加してきた。


『おいらだけのけ者はダメだよ』


「分かったから、すねるな」


『えへへへ』


俊足のブーツを具現化して履いてみる。

中々の履き心地に感心してしまう。


知らない間に皆が集まって輪になっている。


次はTシャツの絵柄が描かれてる。


衝撃緩和のTシャツ


衝撃を緩和させる


DEF+5


こいつはどんな魔物だった。


『そうだな綿毛の集団だったよ』


『しかしおいらの火球ですぐに燃え広がったよ』


『おいらの所まで来たから水で消すのに苦労したよ』


『燃える体が悪いんだよ』


『そうだそうだ』


周りの従魔がガヤを言い出した。

衝撃緩和のTシャツを具現化して、防具を脱いで上半身を裸にしてTシャを着てみた。

柔らくて肌触りが最高だ。


これは塗りつぶされているからスキルカードだ。

裏返して見ると障壁スキルだ。


「誰か、障壁スキルを習得したい者は居るか?」


『はい、おこがましいと思いますがグフに下さい』


『新しい仲間だから。いいと思うよ。皆はどう思う』


『いいよ、いいよ』


『新しい仲間に祝福を、ついでにおいらにも祝福を』


それが従魔らの意見ならいいだろう。

グフはまだ進化してないので心配なのだろう。

そんな気持ちを早く察してやるべきだった。


「グフおいで」


『お願いします』


カードをかざして念じる。

グフが光り輝きだした。


「どうだグフ、習得したか?」


『習得しました。ありがとう』


『おめでとう、おめでとう、がんばれよ』



「お前らもホワイトタイガーを倒したのか?」


『アイツらはひつこいんだから、堪ったもんじゃない』


『擬態したまま、スキを付いて引き込んで皆でボコボコにしてやった』


『そうそうおいらの右パンチが炸裂したぜ』


『よう日本一、偉いぞ、左フックも食らわせろ!』


『そうだ、そうだ』


どうやら元気に倒していたみたいだ。




次のカードは、え!


土魔法


ダンジョンの地形を使える


「このカードを誰からドロップした」


『それはライムが見つけた。そうだったよなライム』


『下に落ちてたんだ』


「すると落し物か?・・・」


偶然手に入った。考えても仕方ないそのまま習得。


体が光りだして温かい。

またも、体がどよめくように伝わってくる。

それと同じくして土魔法の知識が伝わってくる。



さあ試しにこのダンジョンの魔法を発動。

次次ぎと地面からブロックがせり出して階段が出来上がる。

3階建て程の高さに作り終えると、今度は元に戻してゆく。

中々使い所に悩む魔法。



次のカードはこれなのか?


雷撃の弓


弓を引くと雷撃の矢が出現して射れる


「ツタ、受取れ」


ツタに放り投げるとビシッと受け取った。


「その弓を引くと雷撃の矢が出現するから射ってみろ」


ツタが弓の弦を引くと光り輝く矢が瞬時に出ている。

放した瞬間に遠くまで飛んでゆき、遠くで爆発音が聞こえてくる。


『親分、これ中々いいよ』


「なら大事に使うんだぞ」


最後の1枚は何だろう。

え!何だこれは馬鹿にしてるのか?



危険を知らせる


中にはこんな物もありかも、当たりばかり引くより外れも引かないと。


メンバーも揃ったし、あと2日残っているが、俺もそろそろ限界だ。


「皆!今から地上へ帰るカードに戻すぞ」


『OKだよ』


『今回は疲れたよ』


『今度は良いことがありますように』


『ご苦労様』


階段ワープを発動。

やはり、1階出入り口に人は居なかったので決定。

階段は目の前だ。もうすぐ地上へ出られる。

【黒空間】からAIポーターを出して、異常は無いか確認。


「AI付いて来い」


それでは帰るか?安心したせいか重くなった足で、一歩一歩階段を上がってゆく。


ギルド支部に入ると、元気な声で


「2日も残してお帰りですか?イエイエ悪気で言ってませんよ。心配して言ったので誤解しないで下さい」


「別に気にしてないからいいよ」


俺はカードをかざして、家に帰る。

そして玄関を入って、AIも同じく入ってドアを閉めていたのは覚えていたが、廊下に倒れるようにうつ伏せのまま眠っていた。



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