第3話水色スライム




今日も早くからギルド支部に向かい、支部内に設置されたPCで黒魔法を検索。

該当する魔法は無い。これは激レアな魔法なのかも知れない。

ネットでも調べたが、それらしい魔法の情報はなかった。

なのでギルドのPCに期待して見たが、期待ハズレだった。


すると、黒魔法も俺が知っている知識しか情報がなく、使いながら試すしかないらしい。

カードマスターも同じ状況なので、色々と悩むことが多い。


考え過ぎても仕方ない。ダンジョンへ行って試すしかない。



早速1階層で戦いが始まり、何匹もスライムを倒し続けている。

ピーとスラに戦わせて、ドロップのスライムカードが出ないか検証中。


ネットでスライムのピーを調べたが、ピンクのスライムの情報は無かった。

ピーの攻撃方法から考えて、普通のスライムより格上であると認識。

下の階層に向かうには、スライムより格上のスライムがもう1匹必要と考えている。

なのでスライムカードを10枚を、手に入れようと考えていた。


ピーには、単独行動で1階層で戦わせている。

ドロップした魔石やポーションカードは、ピーの体内にキープできる事が分かったので単独行動をさせている。

なので討伐数も上がり、カードのドロップする率も上がるハズ。


そして村人達で構成された2パーティーが昨日帰ってきて、今日は休みの日。

なので、このダンジョンには俺しか居ない。

ピーが冒険者に討伐される恐れが無いので、安心して単独行動をさせられる。


スラの戦いを見守りながら、警戒しているとスラがわずかに光った。

これはレベルアップした証。魔物もレベルアップするのか?

新たな情報が手に入った。帰ったら調べてみよう。


レベルが上がったおかげで、移動スピードと戦闘時間が早くなっている。

相手のスライムが攻撃する前に、包み込み消化して終了。

しかしピーみたいに、体内に魔石やカードをキープすることはできない。


「おっと!やっと5枚目のスライムカードだ」


そのカードを拾い、カードホルダーに収納。

スラにはレベルアップをさせて、このまま育てようと思っている。

10枚で格上になったスライムと比較する為には、対象のスライムが必要。

それと、レベルアップしたスライムにも興味がある。


今後、カードマスターについての検証が必要で、色々試したい。

カードマスターに更なる期待が膨らんで、色々と妄想して微笑んでしまう。


ダンジョン出口の所まで、ようやく到着。

スラが倒した数は106匹で、スラをカードに戻す。

拾い上げたカードには、絵柄の右上に3の数字が表示。

スラがレベルアップした数と同じだ。

本当は従魔のステータスも見ようと、あれこれ試したが見る事は適わなかった。

俺のレベルが一定以上に上がれば、見られる様になるかも知れない。


スラがドロップさせたスライムカードは4枚。

そして低級ポーション5枚でやはりカード化の率が高い。


どうやらピーが戻って来た。

漠然だが遠く離れたピーにも、戻って来いと念じる事で命令に従わせることが可能。

そして、漠然とだが命令に従っているピーのイメージも感じる。

やはり従魔の関係がそうさせているのだろう。


ピンクだった体が、濃いピンクに変わっている事に驚く。

もしかしたら、ピーもレベルアップしているのか?


俺の目の前に来ると、魔石とカードを吐き出した。

魔石は185個でスライムカードは9枚。低級ポーションは7枚。


低級ポーションを1枚1枚収納して、10枚になった瞬間に中級ポーションに変化。

これで中級ポーションが2枚になり、売れば160万円は確実。

収入が少ない俺にとって、この160万円は嬉しい値段。


ちなみに、スラはレベルアップした事で、ホルダー枠が別扱いになった。

スライムカード枠に入れようとしても、拒否されて入らない。

なので普通のスライムカード枠には、青く4の表示で4枚のカードが入っていると分かる様になっている。

スラのカード枠には1枚しかないので、数字表示は無い。

なので期待しながらスライムカード枠に1枚1枚収納してゆく。

そして10枚になった時に又起きた。

1枚になったカードを取り出し、絵柄には水色のスライムが描かれていた。

やはり同じカード10枚で格上のスライムに成ることが実証された。


ピーもカードに戻すと、右上に5の表示がされている。

ピーはまたレベルアップをしたらしい。



受付のテーブルに魔石291個を、袋からかき出していると受付のおばさんは驚いていた。

このおばさんも冒険者としてやっていたが、実家の親が高齢になり戻って来たらしい。

おばさんの旦那さんは、村人を集めてここで冒険者をやり続けている。

2人とも余り良いスキルが習得できなかったが、それでも頑張っている。

今は娘の山田沙紀やまださき19歳と2人だけで、交代しながらこの支部を運営。

運営体制は委託で、この様な人気のない支部をギルドから委託されるケースが多い。

おばさんが名目上の支部長で、沙紀はギルド職員。

沙紀は1週間の研修でギルド職員になったと、近所のおばさん達から聞いた。


内容は冒険者登録を済ませ、簡単な武器による戦い方の実技が8時間が必要。

後はギルドの運営方法・法律関係・クレームに対しての対処方法などを学ぶらしい。



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