第10話 サヨナラ


前を歩くあなたの

背中をみつめながら

私は後ろを歩いてる

振り返ることもしないあなたを

秋風が包んで隠していった

声はもう

かけたりしない

背中に手を

置くこともしない


あなたの記憶の中で

私が消えても

それも当たり前のこと

そう思えるようになった

少し強くなったかな

少し前を向けるようになったかな

後ろ姿にそっと

サヨナラを言おうと思ったんだ


ビルのあの角が分かれ道

私の最後のプライド

胸の中

涙で溢れそうになるけれど

顔を上げて

笑って

サヨナラを言えるよ

サヨナラって




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