『姿勢が悪い』


 ジョージさんが、言います。


 『そもそも、あなた、姿勢が良くないようです。背中が、どんどん、まるくなる。まだ、それほどの年齢ではないでしょう。』


 『まあ、どこでも、そう言われますから。』


 『ふうん。あ、ここは?』


 『ぎゅえ〰️〰️〰️。』


 『はいはい、すいません。ちょっと、伸ばしますよお、はい。』



 『ぎゅわ〰️〰️〰️〰️』


 『固いなあ。まだまだあ。』



 『おぎょわ〰️〰️〰️。お、折れます。』


 『もう、ちょっと。はい、頑張って。』


 『く、く、く。くせになりそうな。』


 『はい〰️〰️、それが、プロの技ねえ。』


 『さすが、カリスマ。ぐわ。』


 『まあ、いっぺんに、良くはなりません。しかし、固まると、治らないです。』


 『ほらほら、また、脅すう。』


 『事実です。まあ、あなた様ですから、はっきり申しますが、もうすぐ、人のてには、おえなくなりますな。』


 『ほんとに?』


 『はい。』


 『まあ、でも、もう、人生、駄目だからね。』


 『なんと。幸子さんからも、聴いてますが、あなた、まだまだあ。これからですよ。しんではなみがさくものか。真実一路、背筋はまっすぐ。はい。伸ばしてぇ。』


 『あなたに、言われると、響きます。ぐわ。ぎゅわ。』


 『でしょう。そうなんです。まあ、あまりやり過ぎると、逆効果なので、じんわり、いきましょう。ぼくも、しごと、欲しいし。』


 と、いうわけで、ジョージさんは、また、明後日の晩に、と、予約して、消えました。


        👊

 

 それから、三回くらい、ジョージさんにもんでもらった、翌日の、昼間、ポストを見に行ったとき、ご近所のおばさまが、声をかけてきました。


 『あなた、ちょっと。』


 『はあ。ども。』


 『あのですね。言いにくいですが、お宅に、深夜、あやしのものが、出入りしてませんか?』


 『え?』


 ぼくは、ビック、と、いたしました。




   ………………………

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