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僕は冒険者ギルドの建物奥、資料室にやってきた。
朝とか夜になるとちょろちょとと調べ物をする利用者が見えるけど、今の時間帯は利用者は少ない。
僕みたいな新人は使う事は少ないけど、ベテラン程事前調査って名目で半日くらい籠ることがあるみたいだ。
まぁ、新人でも採取する対象を知らなければここで調べてるみたいだけど、採取よりも街中での肉体労働がまだメインだからね。
結構時間があるみたいなので調べられれば別の事も調べてみよう。
でもその前にしっかりと目的を達成しないといけないよね。
と言う事で、魔物の生態とか、異常行動等が調べられないかと書庫を歩き回る。
カウンターのある場所と違い書庫は静かだ。それ故に僕も足音をなるべく立てないように気を付ける。
そうしているうちに何冊か、魔物について書かれた本を見つけた。
(何かヒントになるような事は書いてないかな~?)
書庫から離れて端のテーブルに付く。
一冊、目の前に置きペロッとページをめくる。
魔物の生態についてと表紙にあっただけあり、かなり細かく記載されている。うん、全部読んだら日が暮れてしまう。いや、何日もかかりそうだ。
なので、異常行動についての記載を探す。
……探すのだが、該当するような記載は無い。
グレーウルフ、と言うか狼種が単独行動を見せるときはあるが、群れに居場所が無くなったか、トップ争いに敗れた時としか無かった。本当かどうかは不明。
ただ、追い出されただけだと”餌を食べられずやつれる”なんてことはなさそうだ。小動物から同じ体格以上の相手まで幅広く狩れるのだから。
あの時森に入ってみた限りだけど、食料が足りなくなっているとかはなさそうだったし。木の上の小動物から眺められてたからね。
そうすると別の理由みたいだけど、それ以上は書いてなかった。
これは他の本でも同じ。
異常行動を起こすには何か理由があるらしいけど……。
ここの資料室ではこれ以上調べられないようだから一度、本を戻してくることにした。
持ってきました別の本。
スキルについて書かれた本です。
魔法もそうだけど、僕は鑑定スキルを持っている。
これこそ個人に神が与えたスキルって事になると思うんだけどね。
それはそれ、鑑定スキルがどんな立ち位置にあるのか、この際にじっくりと調べてみようと思う。そして、他にどんなスキルがあるのかを調べる。知っていても損は無いからね。
鑑定スキル。
実感した通り。自分が一度調べた情報を引き出すスキルとなってる。
今は鑑定スキルの代わりとなる道具が作られているので役立たずスキルであるとも。
スキルの代わりになる道具の事を魔道具と呼ぶ、と。
錬金術スキル。
金を生み出すスキルでは無く、魔道具を作る職人が持つと便利なスキル。
だそうだ。
僕には関係ないかな。
他にも多数。
羨ましいスキルが乗ってるので目に毒だ……。
スキルじゃないけど魔法について。
基本的にはスキルカードに記載されている四つの属性が人が使える魔法だ。
それとカードに記載されてないが無属性魔法がある。身体強化など、体外に出力する魔法以外の事を言う。
祝福の儀を終えたら誰でも使えるようになるので、皆使えるように練習する。
僕も当然の様に練習したので使える。
でも剣を振るう時は極力使わないようにしている。だって、使える時間が短いし、訓練にもならないからね。結構燃費が悪いんだよね。
体内で使うだけなのに、何で消費するんだろう?もしかして、お腹が減るのと関係ある?ページを使うとそれであってると記載があった。
あと、成長限界は0~5で示される。
僕の鑑定スキルの▲が何を示しているのか、全く分からなかった。
稀に全ての属性魔法が0の人もいるようだけど、ほんとに稀だそうだ。
その他に興味深い記載を見つけた。
遺跡に残されていた記述によるものだけど、四つの属性魔法と無属性魔法の他に二つ属性があったとのだと。
だけど今は無い。
忘れ去られたのか、伝わっていないのかはわからないけどね。
その二つの属性もわかっていないし。
他にも知りたい事は調べる事が出来た。
明日から、また頑張れるだろう。
まぁ、あのグレーウルフの謎は残ったままだけどね。
※”魔物の生態”についてしらべましたが、”魔物”について深く調べなかったことが……。
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