-11-
ウェールの街から三十分くらい歩くと目的の森に到着した。特に名前は無いみたいだ。 ウェールの森とか呼ばれているけど、離れててもいいのかな?そんな名前で。
ここは採取するキノコの群生地がある森。僕は森の中をてくてく歩く。
だけど、いきなり森の奥深くには入らない。街道(?)が通っているから外れないように歩く。そこならば比較的安全だからね。
人の往来がある場所は、魔物達も近づいてこない。人に煮え湯を飲まされた記憶を共有しているんじゃないか、って声を上げる人がいたらしいけど、本当のこと事は分かっていない。
ただ、研究結果がどうであれ、人の往来のある場所は比較的安全なのは助かる。
「えっと、ここら辺かな?」
森に入ってさらに十分。
群生地が近いという目印の杭を見つけた。
大きめの木の杭だけど、今にも崩れ落ちそうな雰囲気を醸し出してる。違うな、腐り落ちそうって言った方がいいかも。ボロボロだよ。誰か立て直さないの?
その杭の足元、よく見ると街道(?)から逸れるように獣道が続いている。
これも聞いた通り。
ここはまだ比較的安全とは言っても魔物が現れないとも限らない。
周りを窺いながら慎重に獣道に入って行く。
獣道。
名前の通り、獣が使う道だ。人も利用するが、メインは獣たち。
よく見ると道のわきに生き物の毛とかフンとか沢山落ちてる。これが将来、森に栄養となってくると思えばこの道も無駄ではないのだなと納得できるね。
慎重に進むこと15分くらい。街道沿いは木々が適当に切られ明かりが差し込んでいたが、ここまで来ると深い木々に阻まれて昼間なのに薄暗く感じる。
それに沿って獣道も”獣道だ!”から”獣道”にランクダウンし、今だと”獣道かも?”と疑問形になるくらい。
”獣道の終点”まで来ると目的地。
キノコの群生地である。
群生地と言っても一種類だけが生えている訳じゃない。
何種類かが集まって群生地となっている、が正解。
そこに目を向ければ、カラフルなキノコが飛び込んでくる。
ピンクに白のドット模様。
黄色と黒の縞模様。
青地に白いギザギザ模様。
等。
なんだろう、言い表せないのが怖い。
ただ、鑑定でもキノコとしか出て来ないんだよね。
さすが、鑑定スキル。使えない!
と言いながらも目的のキノコを発見する。
オレンジ色に黒と白のドット模様。
絶対に口に入れたくないと思うんだけど、これを処理するととても良い味になる高級食材なんだ。
でも群生地にたくさん生えているから何で高級食材って思うかもしれない。
それで鑑定結果。
------------------------------
名称:オイーシキノコ
価格:高級品
説明:とある薬剤に数日漬け込み、天日に一週間干すと高級食材に早変わり。
干してしまうと体積が1/20になるので味を出すには大量に必要になる。
かご一杯に持って行ってもそこまで料理には使えない。故に高級食材と指定される。
------------------------------
と、こんな所だ。
ちなみに説明のところは冒険者ギルドで聞いた説明だ。
僕自身は知らなかったからね。
ちなみにオイーシキノコと似たキノコの鑑定結果。
------------------------------
名称:マズメーシキノコ
価格:たぶん普通
説明:聞いたところによると、生のまま食べると死ぬらしい。
とある職業に持ち込むと買い取ってくれる(らしい)
------------------------------
これも冒険者ギルドから聞いた説明をもとにしてる。
要するにちゃんとした説明があれば鑑定結果にもちゃんと反映される。
と言う訳。
そこそこ役に立つから何もない時にはいろいろと勉強して知識を蓄えよう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます