ローラースケート人生
折笠吉美
序章
1957年福島県に四人兄弟の末っ子で生まれた男は、小心者で周りの目を気にし
てばかりいる少年に育った。
彼の名前は吉美。
名前のために女性に間違われた事は数知れず。
小中学校の入学式の席順表は女子、高校は女子校ばかりからパンフレットが届いた。
自分の名前には嫌悪感しかなかった
彼の父は職人で生活も苦しかったが、新しい物好きで機械好きの性格でテレビも、ビデオも人よりは早く家にあった。
しかし、彼は外遊びより家の中で本や新聞を読み、アメリカドラマが大好きな少年だった。
そんな、おとなしい少年がローラーゲームに出会ったのは、中学3年生の時でした。
この頃吉美の父親が好きなテレビ番組は、プロレスやキックボクシング、そして新しいスポーツとしてブームに成ってきたローラーゲーム。今の時代と違い、家庭には一台しかTVがなかったし、父親が大正生まれの元軍人の頑固者だったのでTVのチャンネル権は100%父親だったので、歌謡曲など、ほとんど見られず、軍歌の80%を歌える位ちょっと変わった中学生に成っていた。
この頃の吉美の性格は小6頃から少し明るくなり、普通の目立たない少年に成っていた。
ある日、当時テレビで放送し大流行していた「ローラーゲーム」の東京ボンバーズの練習場が中学校の近所にできた。
彼は友達と、連日練習場に成って倉庫のシャッターの隙間から中を除いていたが、たまに滑っている人が見える程度で、ほとんどバンクリンクが見える程度であったため、友人達は、すぐに飽きてしまい、毎日学校が終わると彼は一人で練習場に通っていた。
一人で通い始めて数週間が経った頃、人生最大の出会いが起こった。
吉美が、いつもどおり大きなシャッターの前で、しゃがんでシャッターの隙間から覗いてると、後ろから声をかける人がいた。
振り返ると、そこには熊のように大きなアフロヘアーの男が立っていた。
ローラースケート人生 折笠吉美 @danny1957
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