第15話 首都メタリカ・シティ①

渉の一撃により、魔族以外は全て死んでいた。

ラインバッハ帝国から来た魔族は渉に対して驚きの顔をして戦いの準備をする。


『何故俺が魔族だと判ったのだ?』


「さっき、秘密って言ったけど、まあ良いか。それはなお前が闇のオーラを出していたのだよ? この世界で普通は闇色のオーラは出ないもんだ。出るとしたら魔族しかないだろうが。分かったかおバカな魔族さん」


『そうだったのか.....。まあ良い。俺の名前は.....』


「それは良いので.....もう斬ったから」


『なんだと!』

魔族が言った途端に、身体が真っ二つに斬れた。


『...俺を斬っても.....なんだこりゃあ.....わああああ』


「忘れていたが、斬った後の処理も終わっているので安心して死んでくれ」


『ぎゃあああああああ!』

渉が斬った切り口から激しい炎が出て魔族は全身に炎に包まれて.....灰となった。


「一応、「獄炎剣」って言っておこう」


渉は剣をしまって馬車の所に戻って行く。

亜理紗の回復魔法で騎士団達の傷は治って行った。


『ありがとう。アリサさん。ワタル』


「いいえ。問題ありませんよ? それよりメルダさんとリアさんは大丈夫ですか?」


「ええ.....まさか、ベックとガインが...裏切りをしていたなんて.....」


「実は、これはギルドマスターから伝言ですけど、ベックとガインは昔、同じ護衛の依頼で盗賊に襲われた事があったのです。その時もベックとガイン以外は全て死んでしまったのでギルドマスターは不思議に感じたと言っていたのです。だから、俺達がその調査も併せて受けていたんです」


「そうなのね....」


「確認ですが、メルダさんとリアさんは「蒼き狼」結成してからのメンバーでした?」

渉はメルダとリアにいつから「蒼き狼」に加入したか尋ねた。


「違うわ。元々、私とリアは2人で組んでいたのよ。2か月前にベックとガインから一緒にどうかと誘われたの。その時は私達も人数が多い時に受けれない依頼が多くなったので、誘いを受けて現在に至る訳なのよ。だから、あんまりベック達の事は知らないのよ?」


「そうでしたか。なら、今後は2人でも依頼は受けれると思いますよ。これは知っています? 4人以上の依頼を受ける場合、ギルドに残りのメンバーを紹介してくれるのですか? ギルドから仲間の募集をする時、ギルドの方から仲間の条件を言ったら、候補を合わせてくれます。そして、問題ないのなから一時的に組む事が可能です」


渉の話を聞いたメルダとリアは驚いた。


「そうなの?」


「はい。だから、この依頼も6人が必要で俺達も受けたのです。まあ、ベックとガインに騙された可能性はありますね?」


「なるほどね....」


「だから今後は依頼書の確認をした方が良いかと思います。メルダさんとリアさんは女性2人組だから特に気を付けた方がいいですよ?」


「ありがとう。参考になったわ。で、私達は報酬は受けれるのかしら?」


「それは大丈夫ですよね。ブレンダ様」


『問題ありませんわ。報酬は一人当たりで出していますので安心して下さい』


「「よかった.....」」

ブレンダの言葉でメルダとリアは安心をした。

その後、スコットと相談をして騎士団は前と後ろに別れて、渉はブレンダの馬車の操縦を荷物馬車にはメルダとリアが交互に操縦をする事になり、メタリカ・シティに向って進んで行った。


そして、約3時間後.......。


『みなさん。見えて来ました。メタリカ・シティです!』

スコットが言うと全員メタリカ・シティの方を見ていた。


中立国メタリカの首都メタリカ・シティは大きな城塞都市である。

その大きさは大阪市と同じで人口は約10万人。

10メートルの大きさの外壁で覆っていて、城の周辺にも3メートルの壁が覆っていた。

外壁には北門と南門と東門があり、東門からはスカーレット王国に行く門の為、今は封鎖中であった。

此処には世界で3本の指に入る魔法学院があり、そこにブレンダは生徒として学院に入るのだ。

そして、渉達は南門に到着する。


『ようこそ! メタリカ・シティへ! ご用件は?』

警備兵が呼びかけると、馬車からアレックスが降りて話をする。


「私はバッケンハイム領主スレイン=ロックボルト伯爵様の執事アレックスと言います。本日はロックボルト伯爵の御令嬢ブレンダ様を魔法学院に入学する為、ブレンダ様をお連れしました。其処にいるのは護衛の騎士達と同じく護衛の冒険者達です。これが伯爵様からの入場許可書です」


『それでは確認します.......アレックス様。問題ありません。どうぞ、このまま進んで下さい。お連れの皆さんも同様です』


「ありがとうございます」

渉達は中に入って行った。


『皆さん。屋敷に行きますのでよろしくお願いします』


アレックスの指示で馬車はロックホルト邸に向って行った。

屋敷に着くと入り口には多くの使用人が待っていた。


『それでは、此処からは私達がやりますので、護衛依頼は終了です。これが完了報告書でメルダさん達とワタルさん達の分です。これをギルドに提出したら報酬がもらえます』

アレックスは依頼完了報告書をメルダと渉に渡した。


「ありがとうございます。ワタルとアリサ。私達は此処でお別れするわ」


「こちらこそ。メルダさん、リアさん」


渉達はお互いに言い合ってから解散した。

二人になった渉と亜理紗は歩きながら今後の事を話していた。


「それで渉さん。どうするの?」


「先ずはギルドに報告する前にこの街を探索しよう。先に宿も探さないと後が大変だからな?」


「そうね。それじゃあ、先ずは宿を探しましょう」


こうして二人はメタリカ・シティを探索をする事になった。











  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

異世界召喚されたバスの運転手の領地開拓(仮) 松狼 @mute175118

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ