第14話 襲撃
護衛依頼の日、渉達は北門の前に依頼者が来るのを待っていた。
そこで『蒼き狼』のメンバーが北門に来た。
『おはよう。ワタルとアリサ』
「「おはようございます。ブランコさん」」
『早く来たのね。普段の冒険者なら遅れる場合が多いのに』
「まあ。俺達は依頼者との待ち合わせには少し時間を早く来ないと相手に良い印象がないので。」
『そうか、ってもう来たぞ。ブランコ』
『分かった、ガイン。みんな、今回の護衛する相手は貴族様のご子息だから言葉には注意が必要だ』
ブランコが全員に指示をすると護衛依頼をする馬車が到着して、馬車から護衛対象のスレイン=ロックボルト伯爵の娘、ブレンダと執事長のアレックスが降りて来た。
その横には騎士4人と恐らくブレンダの従女であると思われる。
するとアレックスが渉達に説明をして行く。
『皆さん。お待たせしました。こちらがブレンダお嬢様です』
アレックスの横にいた少女を紹介した。
ブレンダ=ロックホルトは歳は12歳で、金色のロング髪で眼はブルー。猫顔のなかなかの美少女であったのだが....年齢と同じぐらいにスレンダーである。
『初めまして。私はブレンダと言います。今回の護衛を是非よろしくお願い致します』
「こちらこそよろしくお願いします。俺は「蒼き狼」のリーダーで名はブランコ。隣にいるのは俺のメンバーのガインとメルダとリアと言います。それと後は」
「俺の名前は渉で隣は妻の亜理紗と言います」
『ありがとうございます。今回メタリカ・シティに行くのは私以外に執事長のアレックスとメイドのエリス。そして護衛騎士として隊長のスコット他3人です』
『俺が隊長のスコットだ。今回の護衛の指揮をするのでよろしく頼む』
アレックスから護衛の説明を再度行った。
内容は前衛はスコット入れて護衛騎士が馬で前を務め、ブレンダの馬車にはブレンダとアレックスとメイドのエリスでブレンダの馬車の従者には渉が務める。
最後の荷物の馬車の後衛には『蒼き狼』のメンバーで馬車操縦にはガインとブランコ、中にリアとメルダが中に入って護衛の内容になった。
今回のメタリカ・シティまでは3日掛かるので野宿よりは村で休む段取りをしている。
最後の1日は大きな平原があり、其処で盗賊などの対処が必要とスコットからの注意を言われてから、それぞれの担当受け持って、護衛が始まった。
護衛初日は魔物が出て来ても『蒼き狼』達と騎士達が全滅させて何とか村に辿り着いた。
護衛2日目は特に何もなく過ぎて護衛3日目を迎えた。
馬車は順調に走って行って、後少しの所で問題が起きる。
渉と亜理紗が最初に気付いた。
「渉さん、これって」
「亜理紗の言う通りだな?」
『どうかしましたか?』
「ブレンダ様。この先に盗賊が待ち伏せています。隊長に報告しますね」
『よろしくお願いします』
渉は馬車を止めて、スコットの所に向い盗賊が待ち合わせしていると報告した。
「この先に盗賊達が待ち合わせしています。どうします?」
『それで数はわかるか?』
「探知で十人程度かと思いますが? まだ正確には数えていません」
渉がそう話すとブランコが話を割って入った。
『おいおいおい。それぐらいなら俺達で十分だ。このまま進む良いだろう?』
『ちょっと考えさせてくれないか?』
ブランコはそのまま進む事を進言したが、スコットはまだ考えている。
すると、亜理紗から念話で話をして来た。
(渉さん。この先の相手の一人、闇の感じがします。恐らく魔族がいると思うよ)
(それは俺も感じていた。さてどうするかだな?)
(ええ。多分進まないと無理でよね?)
(ああ。その時は俺が行くので回復はお願いする)
(うん)
亜理紗と念話で話している最中にスコットは決断をした。
『前に進むので『蒼き狼』達も前衛で頼む。ワタルはお嬢様の馬車を操作をお願いする。ついでに執事長に荷物の馬車の操縦を頼むと言って欲しい』
「わかりました。伝えます」
渉は答えてブレンダの馬車に行き、執事長にスコットの指示を連絡して、荷物馬車の操縦を頼んだ。
執事長はその指示に従って馬車の操縦を「蒼き狼」と交代して、そのままゆっくりと進んで行った。
そして、前に盗賊達が待っていた。
『おい。お前達に聞く、其処にいるのはスレイン=ロックボルト伯爵の娘のブレンダが乗っている馬車だな?』
盗賊の一人が話すとスコットは
『そうだが、何が目的だ?』
『そのブレンダを捕らえる為だ。直ぐに降参しろ。俺達には強い味方がいるもんでな?』
後ろから身体のデカイ男が出て来た。
『おい。ブラットリー。早くブレンダ以外殺せ!』
『女もいるんだが、捕まえて俺達が犯しても良いか?』
『ならん! 何処から情報が洩れると思っているのか!』
『へいへいへい。分かりましたよ。おい、全員出て来い!』
ブラットリーと言われる人物からの呼び声で全員が出て来た。
その数50名ほどである。
するとブラットリーが誰かに話をする。
『おい。ベックとガイン、此処までの案内ありがとうよ』
『何だと!』
スコットはそう言うとベックとガインは剣でスコットに斬り込んだ。
スコットは不意打ちをされて、ガインの剣を躱したがベックの剣が腹に刺さってしまい、その場で倒れた。
『ベック! ガイン! どうして?』
『お前達も来いよ? メルダ、リア、其処にいる騎士どもを攻撃しろ!』
『私達は何も聞いていない。教えてよ?』
『それはな、ここにいるブラットリーとの話で護衛以外の依頼を受けたのさ。依頼料金の3倍の値段でね。あはは、これで俺達は大金持ちだ!』
ベックは大笑いしてスコットを介護している騎士達に睨み付けた。
そこで渉とアリサが倒れているスコットの前にやって来た。
「亜理紗、スコットさんに回復と範囲結界を頼む。俺はこいつらを斬る!」
「分かった」
亜理紗はスコットを回復しながら馬車全体に範囲結界を張った。
「メルダさんとリアさんも一緒にどうぞ」
『『.....え? 分かった....』』
メルダとリアは亜理紗の言う通りに馬車の中に入った。
渉はブラットリーとベックとガインに話をする。
「お前達はやっぱりグルだった見たいだな?」
『ほお。そんなことがわかるのか? この能無し錬金術士。お前確かレベル60だったよな?その程度の奴に俺達を斬ると言うのか! 此処にいる全員は最低でもエベル70でブラットリーはレベル90、そして、後ろにいる方は』
ベックは話そうとした時、渉が割って入った。
「そこの後ろの魔族さん。まあ、誰の命令かはわかるけどね?」
渉が一番後ろに立っている黒いローブの人物に話をする。
『ほほう....我の事も分かるのか?』
「まあね。まあ...まずはこの雑魚を先に倒すとするか」
渉はアイテムボックスから剣を取り出して手に取ってだた一言を言った。
「.....円月剣....」
渉は剣を一回転して回した。
『なにも出ないぞ? これりゃあ........』
ベックはそう言った途端、ベックを始めガインとブラットリー他その場にいた盗賊の首が地面に落ちて行った。
「何か言ったか? ザコ」
「渉さん。流石に秒殺ですね?」
『『『え? えええええ!』』』
スコットを始め、その場にいた騎士達と馬車の中から見ていたメルダとリアは唖然としていた。
「さて、そろそろあんたの名前でも聞こうか? ラインバッハ帝国の配下さん」
『何故それを......。』
「そこは秘密って事で。始めましょうか」
渉はそう言ってラインバッハ帝国の刺客と戦いを始めた。
~作者より~
次回はメタリカ・シティに到着した渉達に起きる事件が出てきます。
お楽しみ下さい。
面白いと思った方は是非とも評価の☆を★にしていただくと嬉しいです。
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