第10話 新たなる旅立ち
フォローネの話を聞いた渉と亜理紗。
その後、二人で話合いって明日此処から西のメタリカに向う事になった。
「渉さん。明日の朝に此処を出てメタリカに行くのですね?」
「そうだ。亜理紗。もう一度言うけど、此処を西に出て一番近い街に行って、その街で冒険者登録をする。その後、その街を中心として活動してから王都に向う依頼を受けて王都に向う。それが一番安全だと思う」
「それでこの家は?」
「もちろん。持っているよ」
「持っていけるの?」
「ああ。この家は元々冒険用に作った家型テントだからな。理由は魔王軍との戦いで必要だったので俺の知り合いに作ってくれたのだ」
「そうなのね.....」
亜理紗は渉の行動に呆れていたが、今となっては何となくわかる気がした。
「明日は早いからもう寝るぞ」
「今日はするの?」
「あれをしたら、明日の朝起きられないからな?」
渉達はその晩は二人仲良くねるのであった。
次の日の朝、渉達はメタリカに行く準備をしていた。
「忘れ物はないか? 家型テントをアイテムボックスに入れるから」
「大丈夫だよ? 渉さん。食事関係と調理器具は別にしている?」
「大丈夫だ。亜理紗行くぞ」
「うん」
渉達は西の方角に向って歩いて行った。
途中魔物が襲い掛かって来たが二人で協力した倒して更に西に進んで行く。
「もうすぐ森を抜けられる......亜理紗。ちょっと待て」
「どうしたの?」
「誰かがいる......おい出て来いよ!」
渉が前方にいる誰かに話をかけると一人の男性がニヤニヤ笑って渉達に向って歩いて来た。
その男性を見た亜理紗は驚いて、渉の隣に抱き着いた。
『おやおやおや。此れは勇者様の奴隷の誰でしたっけ?』
「貴方はベルベットさん.....」
「亜理紗。こいつがベルベット?」
「うん。私達に「精霊の村」に案内をした騎士.....」
「そっか。おい。そこのベルベットと言ったな?」
『何でしょうか?』
「何故此処にいる?」
『実はですね....ある人物を探す様にメタリカに向う途中で偶然にも知っている人がいましたので声をかけたのですよ?』
「そいつはご苦労様だな? スカーレット王国の国王の子供を捕らえる為か?」
『ほほう。何故知っているのですかねえ』
「企業秘密だ」
『企業秘密?』
「お前には分からんだろうな...それで亜理紗を見つけて、お前達はどうするつもりだ?」
『そうですね。その亜理紗さんを捕らえて帝王に差し出すとしましょう。帝王様は処女が大好きなので。おほほほほ』
「残念だが、亜理紗の処女は俺が貰ったから、そのまま消えてくれないか?」
『そうなのですね....なら此処で死んでくれますか?』
ベルベットは魔法陣を出して10体のオーガを呼びだした。
『貴方達はこのダークオーガ達と相手にしてもらいます。見た所二人は結構レベルが上がっていますけど、さっき「魔眼鑑定」をしたら二人とも50ぐらいでしたので。ダークオーガはレベル95なので、瞬殺になるかも知れませんね.....ダークオーガ達、遊んであげなさい。彼女の方は生かして貴方達の玩具にしてもいいですよ』
ベルベットの命令で喜ぶダークオーガ達は渉達に襲い掛かった。
「渉さん」
「大丈夫だ。そこにいろよ? 直ぐに終わる」
渉は抜刀術の体制になって、剣を降り斬った。
『恰好だけではありませんか? ....ってどうかしましたダークオーガ達』
バルベットは渉達を襲い掛かったダークオーガ達が立ち止まっているのをおかしいと感じた。
すると、ダークオーガ達の身体が横に斬り落とされて、次々と倒れてしまって行く。
『なんですかあああ!』
「これは俺の得意技で「抜刀・横一文字斬りだ」」
『一瞬でダークオーガ達を.....』
「ああ。言い忘れたが、ついでにお前も斬ったからな?」
『え?』
ベルベットは驚くとベルベットの身体も上半身が横にずれて倒れた。
『私が....気づかずに斬り落とされたね.....これぐらいどうでもなります』
「それはどうかな? ベルベット....いや、魔族さんよ」
『なんですって?』
「俺が斬った斬り口を良く見て見ろ」
渉が言った言葉に対してベルベットは理解していなかった。
しかし、斬り落とされたベルベットの下半身の傷口から青い炎が燃えてベルベットの下半身は灰になってしまった。
『私の下半身があああああ!』
「もう一つ言い忘れた....お前は死んでいるぞ? そこで灰になって消えてくれ」
渉はベルベットに答えると残された上半身の斬り口から青い炎が出て来て、ベルベットの上半身を焼き尽くした。
『ぎゃああああああああ!』
「死ぬ前に言う。俺の使った剣は魔剣グラム。切り口から約1万度の青い炎を出して相手を灰にする事が出来る別名「滅殺」する魔剣だ。お前はそのまま灰になる」
『ぎゃああああああああ!』
青い炎に包まれたベルベットは灰となって消えて行った。
「ふう。これで終わりだ。亜理紗、もうすぐ出られるからな?」
「うん」
渉達は森を出たのであった。
森を出て少し歩くと渉の探知魔法で近くの街がある事が分かった。
「この先、北東100キロぐらい先に街があるみたいだ。もう夕方になるから、この辺りに野宿でもするか?」
渉は家型テントを取り出して、渉達は家型テントの中に入った。
その後、渉達は夕食を食べて一緒に風呂に入ってベットで寝るのであった。
次の日、二人は朝起きて朝食を食べてから家型テントを直して再び歩いて行った。
途中で大きな道があり、その道を沿って街があると思われる北東に向って行く。
「渉さん。この道って舗装が入っているよね?」
「この辺りには魔物は出て来ないみたいだ。このままゆっくりと進むとするか?」
「そうね」
渉達はどんどんと歩いて行く。
すると何処からとなく誰かの声が聞こえて来た。
『助けてくれ......』
「渉さん。誰かが助けを呼んでいる見たい」
「そのようだ。行くぞ、亜理紗」
「うん」
渉達は走って呼んでいる方向に向って走って行くと、其処にはオーク4体が馬車を襲っていた。
『助けてくれ......頼む』
「待ってろ! 亜理紗は倒れている人を助けて欲しい」
「分かった」
二人は別れて行動を開始した。
渉はオーク達を剣で一瞬に倒し、亜理紗は襲われた人を回復魔法を使って助けた。
「あんた。大丈夫か?」
『ありがとう。旅の方。助かったよ。馬車の荷物をこの先のバッケンハイムまで届けに途中でオークに出会ってしまったんだ。護衛の冒険者達はオークにやられてしまってな......』
「渉さん。その冒険者って倒れている人なの? 一応回復魔法を使ったから命には問題ないかと思うけど?」
「亜理紗。それで良い」
『それで貴方達は?』
「俺の名はワタル。そこの女性は俺の妻で名は」
「アリサと言います」
『私の名はメルビン=アインズと言います。この先のバッケンハイムでアインズ商店を開いています。倒れているのは私の護衛をしている冒険者で名前は』
『ありがとう。僕の名前はロイドで、隣にいるのは僕の相棒でリアーナです』
『本当に助かったわ。リアーナよ。魔法使いなのよ』
ロイドは20代で赤髪と青眼をしたガッチリタイプの戦士で、リアーナはロイドの恋人で同じ歳で黄色のロングで赤い眼をした綺麗な女性であった。
メルビン=アインズは40代後半の栗色の髪と青い眼をした少し太っている優しい男性だった。
メルビンはワタル達にお願いをする。
『ワタルさんとアリサさんは一体何処に行かれるのですか?』
「俺達もメルビンさんと同じ場所に行こうと思っている。実は俺達は異世界人で何故か分からない場所にこの辺りに飛ばされたのだよ。其処で街を探している途中で貴方達に出会った訳だ」
『なるほど.....。貴方達も何者かによって此処に召喚されたのですね?』
「ああ。だから街に入って情報を得ようと思ったんだが」
ワタルはメルビンに事の話をするとロイドが話を割って入って来た。
『それなら、バッケンハイムで冒険者登録をしたら良いのでは? 最近、異世界人の冒険者登録が多いと聞く』
「他にも俺達と同じ異世界人がいるのか?」
『ああ。俺が知っている情報では別の国に冒険者になった異世界人がいたんだが、自分の事ばかり考えている奴が多くて.....』
『迷惑ばっかりかけているの。しかも、弱いくせに色々と文句ばっか言っているし。貴方達は他の異世界人達と違う見たい.....』
「ありがとうございます。リアーナさん」
『リアーナで良いわよ。アリサ』
ロイド達の話によると他にも異世界人が冒険者として活動している見たいだが、色々と問題を起こしている様だった。
『ワタルさんとアリサさん。バッケンハイムに行くのなら、一緒にどうですか? バッケンハイムの中には身分証明がいるので、私の護衛をしてなら中に入れます。そして、ロイドさんとアリーナさんにお願いして冒険者登録したらどうでしょうか?』
メルビンの提案は、渉達が街の中に入るには良い内容なので喜んで提案を受けた。
「メルビンさんの提案に受けます」
『僕も君達の冒険者登録に協力するよ。僕が保証人となるから大丈夫だよ』
「ありがとうございます」
渉達はメルビンとロイドとリアーナと一緒にバッケンハイムに向うのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます