第8話 勇者のその後と3か月後の渉と亜理紗

優吾達は亜理紗を見捨てて奥に逃げて行った。

オーガ達が見えなくなったので優吾達は立ち止った。


「ここまで来れば問題ないはずだ」


「そうね....。それより優吾、「精霊の村」はもう少しなの?」


「ベルベットさんから聞いた話だと、後2時間で着くはずだ」

綾香の質問に優吾は答えた時、安奈が何か気配を感じた。


「ねえ....何かがやっている」


「安奈。その何かはどんなものだ?」


「まだ分からない....でも、もうすぐみえて来るよ」

安奈の言葉を聞いた優吾達は戦いの準備をしようとした....が出て来たのは、


「「「「バルベットさん!」」」」


先程別れたベルベットであった。


『どうかしましたか?』


「ベルベットさん。何故此処に?」

瑞希がベルベットに尋ねるとバルバットはニヤリと笑った顔で話始めた。


『それはですね....貴方達が役に立たないと分かったからです』


「どうしてですか?」


『証拠にこの魔物と戦っていただきます』

ベルベットは魔法陣を展開してある魔物を召喚した。


「これって....」


「「「「オーガ!」」」」


『そうです。貴方達は今からこのオーガと戦っていただきます。』

ベルベットの命令でオーガは優吾達に攻撃を開始した。


「綾香! 俺と安奈に強化魔法を。俺達が攻撃している間に瑞希は魔法で攻撃を!」


「「了解!」」

綾香は優吾と安奈に強化魔法を使い、瑞希は攻撃魔法を唱えている。

綾香の強化魔法が完了して優吾と安奈がオーガに攻撃を開始したのだが........。


「何で傷もつけていないのよ!」


「俺の聖剣もダメージなしだ........。わああああ!」


優吾はオーガの斧攻撃によって吹き飛ばされ、安奈はオーガに捕まった。


「安奈! 今助ける! 「ファイア・アロー」!」


瑞希の炎魔法がオーガに命中したのだが......オーガには全く効果がなかった。


「ぎゃあああああ!」

オーガが安奈の両腕をへし折り、安奈を投げ飛ばした。

そして、その足で瑞希の所に行き


「来ないで....来ないでよおおおおおお!」

オーガの足蹴りを瑞希はまともに食らって後ろの木に当たってしまった。

同じ様に綾香も足蹴りを食らって気絶した。


「綾香。大丈夫か!」

優吾は綾香を起こすと綾香はフラフラの状態で座ってしまった。


『オーガ。そこまでです。帰りなさい』

バルベットは魔法陣を呼び出してオーガを帰還させた。

優吾はオーガの斧攻撃で肋骨全部が折れており、安奈は両腕を骨折、瑞希と綾香はオーガの足蹴りによって全身打撲の状況、それを見たベルベットは淡々と話す。


『勇者達なら、あのオーガぐらい簡単に倒せるはずですよ? 所で聞きたいのですけど、は何処にいます?』


「あの子って.....亜理紗の事か?」


『そうですよ。あの僧侶見習いの子。もしかしたら囮にしたのですね....。なんてバカな勇者達なんですかああ?』

ベルベットは大笑いして優吾達を見下した。


「ベルベットさん.....」


『貴方達に質問します。今貴方達のレベルはいくつですか?』


「俺はレベル30。綾香はレベル29。安奈と瑞希はレベル28だ。それがどうしたたのですか?」


『30って、此処にいるモンスターより弱いじゃないですか! それでをパーティに入れました?』

ベルメットは優吾達に亜理紗をパーティ登録をしているかどうか聞いた。

その答えを綾香が言った。


「してないわ。だって...あの子は私達に取っては役に立たない......」


『それがバカだって言っているんだ! 本当にバカかお前らは!』


「何でだ!」

優吾は叫んだ。


『まあ。良いでしょう。もうすぐ貴方達は此処で死ぬので最後に教えてあげます。貴方達は女神アンドロメダ様から加護を貰って此処に来ました。アンドロメダ様の加護は経験値2倍の効果があります』


「ああ。それで俺達はオークを倒してレベル30まで上がったんだ! 何がおかしい!」


『あのオーガのレベルはいくつだと思いますか?』


「私から見ると.....レベル30以上と思うわ.....」


『残念! あのオーガは特異種なのでレベル90ですよ?』


「「「「え?」」」」

優吾達のレベルの3倍はあった事に驚いた優吾達。


『この森には最低レベル80~100ぐらいの魔物が多く住んでいる森なのです。貴方達がレベル90まであげたなら勝てるはず相手ですよ?』


「俺達はオークを50体以上倒して30だったぞ?」


『そうでしたね。アンドロメダ様の加護だけではレベル90ぐらいにはオークを100000体以上倒さないとなれませんが.....たった一つ方法があるのに貴方達はそれを囮にしたのですよ? この意味わかります?』

ベルベットの話を聞いた綾香は何かを思い出した様に答えた。


「それって....亜理紗をパーティ登録をしなかったから?」


『正解です! 実はにはフローネの加護があります。それは知っているでしょう?』


「ああ。そうだ」


『あの僧侶見習いが受けている加護の内容は.....パーティ登録している場合のみ経験値10倍になる効果があるのです。それと貴方達の加護を合わせるとどうなりますか?』


「......約20倍?」


『正解です! 1体に付き約20倍。オークなら500体でレベル90になれるのです。それを貴方達は切り捨てたのです...本当にバカな勇者ですね』

ベルベットは大笑いをしながら答えた。


「「「「.....」」」」


『ちなみに貴方が言っていた魔王は、ラインバッハ帝国の帝王です。レベルは500以上ですね。この世界なら』


「嘘でしょう......」


『貴方達があの子をパーティ登録してこき使えば、レベル100以上は直ぐに行けるはずなのにね....。そうしたら、貴方達は帝国で裕福に生活出来たのに残念です。それでは貴方達は此処で死んで下さい。『獄炎』』

ベルベットは優吾達に激しい炎で焼き殺した。


「「「「ぎゃああああああああ!」」」」


『この異世界人達で最後ですね....今回の召喚された25名全員死亡です。帝王に報告をいたしませんと行けません』

灰になった優吾達を見てからベルベットは魔法陣を使って城に帰還したのであった。


○○○○


渉が亜理紗を助けた日から約3か月経過したある日の朝、渉が設置した家型テントの一室で....渉は目を覚ました。


「おい。亜理紗...起きろ。朝だ」


「....もう...少し....」


「朝だって言っているだろう!」

渉は亜理紗の両頬を抓って起こそうとした。


「ほええ?.....渉さん?」


「起きたか.....朝だぞ?」


「え? えええええ!」

ビックリしてベットから起きる亜理紗....その姿....全裸であった。

勿論....渉も全裸。

二人は全裸でベットに寝ていたのであった。


「渉さん。朝食作るわ。少し待って」


「亜理紗.....裸で言うな! 服を着て朝食を作れよ?」


「いやん.....もう....いけず」

亜理紗は服を着替えてから朝食の準備をした。

何故、二人で全裸の姿でベットで寝ていたのか?

.....その理由は...二人はベットの中で全裸でイチャイチャしたのであった。


お互いに恋人同士の関係になった経過は、渉は亜理紗にこのままでは森の魔物達に殺されてしまうのと、街に出て冒険者となって各地を巡って行こうと考えた。

そこで渉は亜理紗にその話をすると渉となら一緒にって言って結果、先ずはこの森の渉達のレベル上げをする計画を立てたのだ。

しかし、渉にはもう一つの計画があって亜理紗にはまだ話してはいなかった。


最初の1か月の日課


朝7時起床・朝食 亜理紗が料理

朝8時から12時まで、亜理紗にこの世界の知識と魔法の勉強

12時から13時まで昼食 亜理紗が料理

13時から18時まで魔物討伐。戦闘担当が渉で回復担当が亜理紗

18時から19時まで夕食 亜理紗が料理

19時から20時まで 亜理紗の入浴

20時から21時まで 渉の入浴

21時半 就寝


1か月以降から昨日まで

朝8時起床・朝食 亜理紗が料理と二人分の弁当を作る

9時から17時まで少し離れた森でオーガの上位種を討伐

(途中、昼食と休憩が入る)

18時から19時まで 夕食

19時から21時まで 亜理紗は生活魔法で掃除と洗濯 渉は錬金術を

21時から22時まで 二人で入浴

22時から???まで イチャイチャしながら寝る(週に3回)その他は就寝


最初はお互いに生き抜くために必死であったのだが、1か月過ぎてからお互い愛しあってついにをした。

その後は、週3でイチャイチャする時間を作って愛し合っていた。

ちなみにこの世界で1週間は7日で4週間28日で1か月、四季があり1年12か月で336日。1日が24時間。ほぼ地球に似た時間帯である。

そして、今日は二人で朝食した後で大広間でお互いの成長を確認する日であった。


「亜理紗。それじゃあ。お互いのステータスの確認をするぞ」


「うん」

先ずは渉の方から

名前 ワタル(=ムーンライト) 33歳 男 180cn 65キロ


職業 錬金術師(元勇者) レベル60(230)


HP58000(580000) MP4000(120000)


基本能力 攻撃S 防御S 体力S 魔法防御S 魔力S 知性S 器用S 俊敏S 運S


基本スキル 剣術S・格闘S・全属性攻撃魔法S・支援&回復魔法B・生活魔法B・料理C・全異常耐性無効・HP超回復・MP超回復・亜空間収納・転送魔法・飛翔魔法・二刀流・解体魔法・眷属召喚・結界魔法・探知魔法・マッピング済み地図・解体魔法・能力隠蔽・道具箱アイテムボックス・錬金術S・鑑定


加護...女神フローネの使徒.....経験値3倍(パーティ組むと10倍に変化。有効レベル500)


ちなみに()は隠蔽した事柄・基本スキルと加護は他には見えないように隠蔽している。

亜理紗のステータスも同じ様にしている。

次は亜理紗


名前 アリサ(=カミカワ) 18歳 女 

158cn 50キロ B85 W58 H85  

職業 僧侶(聖女) レベル55(210)


HP36000(350000) MP25000(300000)


能力 攻撃D 防御D 魔法防御B 魔力S 知性S 俊敏C 器用B 運B


基本スキル 弓術B・回復魔法S・生活魔法S・料理S・道具箱アイテムボックス

支援魔法A・全魔法防御耐性・全異常魔法耐性無効・聖魔法S・身体強化・結界魔法・鑑定・能力隠蔽


ユニークスキル 天使の祈り......半径20メールの範囲内にいる仲間に対して、一定時間での攻撃系を無効化(1日1回のみ使用可能)

        天使の歌......半径20メートルの範囲内にいる仲間に対して、HP&MPを1時間に各1000を回復(1日2回のみ使用可能)

        天使の踊り.....半径20メートルの範囲内にいる仲間に対して、一定時間での攻撃を上げる(1日3回のみ使用可能)


「お互いに上がったよな?」


「そうね....私の分からない部分の内容が出て来た」


「これが本当の亜理紗の能力だ」


「嬉しい。此れがあれば渉さんを援護出来るわ」


「まあな....それより。亜理紗に渡す物がある」


「なあに?」


「これは......? 結婚指輪??」


「それもあるのだが......付けてみるか?」


「うん」

渉は亜理紗に結婚指輪(?)を付けて、自分にも指輪を付けた。


「亜理紗。その指輪に魔力を込めて見て」


「うん」

二人は指輪に魔力を込めると何処からともなく女性の声が聞こえてきた。


『これは?』


「女神フローネ。久しぶりだな?」


『貴方達は.....私の世界に転移したお二人ですか?』


「ああ。貴方から加護を貰った夜明渉だ」


「上川亜理紗です」


その声は亜理紗と渉に加護を授けた女神フローネの声であった。












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