第6話 再会①

*この回は多くの人物が出るので戯曲風にしています。


上川亜理紗、桐谷綾香、川瀬瑞希、村岸安奈、そして、森崎優吾は、ある場所に転移した。

その場所は床に魔法陣が引いているレンガ作りの部屋だった。


優吾「此処が女神アンドロメダ様が言っていた場所かあ」


綾香「マジですごくない? ここ」


瑞希「本当だわ。ここ中世ヨーロッパ風で本当に異世界に来たんだ」


安奈「瑞希って。本当に異世界物の小説を読むのが好きなのねえ」


優吾達が色々話している間、亜理紗だけはただ黙っていた。

すると、優吾達がいる部屋の扉が開き誰かが入って来た。


謎の男「ようこそいらっしゃいました。勇者様とそのお連れ様」


優吾「あんたは一体誰だ?」


謎の男「私はこの国、ラインバッハ帝国で宰相をしています。イワン=ランカーク伯爵と申します。勇者様達には帝王様の謁見をしていただきたいのです」


優吾「それではお願いする」


ランカーク伯爵「どうぞ、此方へ」

ランカーク伯爵の案内で優吾達は帝王のいる謁見室に向って歩いて行った。

途中、ランカーク伯爵から帝王との会話には敬語を使うように優吾達にお願いをした。

そして、謁見室に到着するとランカーク伯爵が帝王に声をかけた。


ランカーク伯爵「帝王様。勇者ユウゴ様他、只今到着をいたしました」


帝王「ご苦労」

優吾達は帝王を見た。

歳は30代後半で太っちょで顔はおにぎり風の姿をしていた。


帝王「我はこの国、ラインバッハ帝国の帝王、ベリアル=ラインバッハである。その方が女神アンドロメダ様から召喚された勇者達であるのか?」


帝王の言葉の返事は優吾が行った。


優吾「帝王様。その通りでございます。私は勇者ユウゴ=モリサキ。隣にいるのが」


綾香「アヤカ=キリタニ。聖女です」


安奈「アンナ=ムラギシ。剣聖です」


瑞希「ミズキ=カワセ。賢者です」


亜理紗「アリサ=カミカワ......僧侶見習いをしています」


帝王「そのお仲間は剣聖と聖女と賢者か。一人見習いがいるが、これは?」


優吾「このアリサは私達の下僕です。後程、帝王様のお相手もさせていただくつもりです」


帝王「そうか。そうか」

帝王は亜理紗の身体を舐めまわすように見ていた。


ランカーク伯爵「帝王様。勇者様にこの国の実情を説明してもいいでしょうか?」


帝王「よし。かまわん」


ランカーク伯爵「それでは勇者様にこの国の実情を説明致します。この国はラインバッハ帝国と言い、ヒステリアの中でも3本の指に入る国でございます。実は隣国のス魔族が支配している国スカーレット王国との戦いの最中でありまして、勇者様達にはスカーレット王国の国王一族の討伐をお願い致します。魔王スコット=スカーレットとその妻である魔女エレーナ=スカーレット。そして、その娘アリス=スカーレットとその息子であるカイル=スカーレット。アリスとカイルは今はスカーレット王国にはいません。私の提案としましては娘のアリスと息子のカイルを捕まえて捕虜としてスカーレット国王に降伏をさせようと考えています。」


優吾「アリスと言う王女の歳はいくつでございますか?」


ランカーク伯爵「確か....20歳だと思いますが.....中々の美女であると言われています。そうそう、捕まえたら勇者様の奴隷にしても良いですよ」


ランカーク伯爵の言葉に優吾は喜んだ。


優吾「そうですか。ならその件、受けます」


ランカーク伯爵「ありがとうございます。そうしたら、魔法陣を使って、スカーレット王国領にある『精霊の森』に転送しますね。娘と息子はたぶん此処に潜んでいると思います。それで『精霊の森』では多少なくとも魔物がいますのでご注意下さい」


優吾「魔物は俺が倒しますので安心して下さい。勇者ですので」


ランカーク伯爵「それでは転送魔法陣がある場所に案内致します。ベルベットよ」


ベルベット「はい」


ランカーク伯爵「その方も一緒にお願いする」


ベルベット「御意。勇者様、此方へどうぞ」

ベルベットは優吾達を転送魔法陣の部屋に案内して、魔法陣を起動して転送をした。


帝王とランカーク伯爵のみ謁見室にいて話を始めた。


*ここからは普通に行います


「帝王様。あの森で良いのでしょうか?」


「その事か問題ない。女神が召喚した異世界人の実力を見るには良い場所だからな? 「精霊の森」....別名「死の森」には魔物が多くいるから、生き残ったらあの国に攻め込む道具として、死んだらそれまでだ」


「そうですね。あの森を抜けるとスカーレット王国はすぐ目の前ですから。自称勇者達がその森を抜けると良いのですけどね....あのアンドロメダ様の加護はこの世界では能力が10%しか発揮出来ません」


「そうだ。我々なら100%発揮出来る。何故なら....我達は魔族だからな! あははっははははははっは!」


ラインバッハ帝国はベリアル=ラインバッハ曰く獣魔王ベリアルが壊滅させた小国を統一した国でスカーレット王国こそ、15年前に大魔王を倒した勇者のパーティの仲間が作った国である。

ベリアルは女神アンドロメダの命令によってスカーレット王国の壊滅しようとした。


「ランカークよ。あの国王の子供達は我が壊滅したスワン王国から脱出したと聞いたのだが?」


「その通りでごさいます。私の暗殺部隊によると中立国メタリアに逃げ込んでいると情報です。それでどういたしますか?」


「一応、そのままにして置け」


「御意」


二人は各々の部屋に向ったのであった。


○○○○


優吾達は『精霊の森』の中心部に到着してベルベットの指示を聞いた。


「君達勇者様パーティはこの南の奥にいる『精霊の村』に行ってもらう。途中魔物が出るので討伐しながら『精霊の村』まで頑張ってくれ」


『ベルベットさんは一緒に来ないのですか?』


「俺はこの魔法陣を守る命令をしているので行けないのだ。村を見つけたらこれを置いてくれたらいい。」

ベルベットは優吾に道具見たいな物を渡した。


「これは何でしょうか?」


「この道具は転送魔法が組み込められている道具だ。これを使えば一緒に来た所に戻れる。但し、これを使って城に戻る事が出来ないので注意だ」


「そうすると帰りは、此処に?」


「そうだ。この魔法陣は城に往来が出来る事が出来る」

バルベットの説明に対して綾香は質問した。


「私達は、その「精霊の村」に行き、村の近くに貰った魔道具を設置して、その後此処に戻って来ることでいいのですね?」


「その通りだ。流石聖女様だ」


ベルベットの答えに綾香は照れていた。

そうして、優吾達は精霊の村に向って歩いて行った。

優吾達の姿が見えなくなったのでベルベットは魔法を使った。


「帝王様も嘘が上手いものだ。この魔法陣は片道専用だからな.....。しかし、精霊の村ではなく、奥にいる災害級の魔物の戦いにあいつらが勝てるかどうかの試験だからな? そろそろ城に戻るとするか.....」

ベルベットは消えて行ったのであった。


優吾達は途中オークを倒しながら前に進んで行った。

優吾達は倒した後で亜理紗に回復魔法を使わせて進んで行く。

そして1時間経過すると亜理紗のMPが無くなって、亜理紗の顔色が蒼くなった。


「おい。亜理紗。もう魔力がなくなったのか?」


「...はい。もう回復魔法は使えません.......」


「なに言っているの? 回復出来るのは貴方しかいないのよ?」

綾香はそう言って亜理紗を叱った。


「ねえ。森崎君。村はまだかしら?」


「まだだと思うぞ?」


「少し休憩しない? オーク程度なら私達でも倒せるから」

安奈は優吾に水を飲みながら言う。


「安奈の言う通りだよ。今の私達のレベルはだいたい30ぐらいだから」


「優吾、話があるの」

綾香は優吾に話をした。


「なんだ?」


「そろそろ、亜理紗を食べる? あの子もう駄目みたいだから此処で襲っても良いよ?」


「そうだな。綾香良い考えだ。周りは綾香達が見てくれないか?」


「いいよ」

と綾香が答えた時、大きな叫びの声出して優吾の前に10体の魔物が襲って来た。


「こいつはオーガだ! 綾香、瑞希、安奈準備! 亜理紗は回復魔法で援護!」


「「「了解!」」」

綾香と瑞希と安奈は攻撃の準備をしたが、亜理紗だけは座ったままだった。


「私は....無理です....」


「なら置いて行く。綾香達は俺についてこい!」

優吾達はオーガの群れに飛び込んで行った。

綾香の支援魔法で亜理紗以外の全員に身体強化魔法をかけて、そしてオーガの中を通り抜けた。


「森崎君......綾香....」


「お前は此処で足止めしろ! 俺達は先に行く!」


「亜理紗。頑張ってね!」


「本当にオーガに犯されて私達の囮になってよ」


「それじゃ。バイバイ。亜理紗。やっと死ねるのよ? 喜んでよ」


「「「「あははははは!」」」」

優吾達はその場から逃げて行った。


「そんな......。早く逃げないと.....」

亜理紗はよろけた足で優吾達と反対の方向に逃げようとしたが.....途中で転んでしまった。

オーガ達が亜理紗の元に辿り着いて笑って襲って来た。


「きゃああああ!」

オーガによって服をビリビリ破られ、転んだ時顔に泥をかぶってしまいボロボロの状態になっていた。


(私の人生って一体何なの.....ここで死ぬのかな.....でも生きたいよ.....)

色々な光景を思い出して行った亜理紗が言った言葉は...


「た.....す....け....て...」


「助けてええええええ!」

誰も助けが来ない場面で助けてと大声を出した。

オーガ達が亜理紗の手を掴もうとしたその時。


スパン!


「え?」

亜理紗はオーガ達の首が無くなっているに気が付いた。

そして、誰かが亜理紗に声をかけたのだ。


『おい。大丈夫か?』


「はい......大丈夫です」

亜理紗は助けて貰った人に返事をした。


(この人.....いつも私に対して声をくださった....バスの運転手さんだ)


その人は.....バスの運転手の夜明渉であった。











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