第4話 上川亜理紗
~上川亜理紗の視点~
私の名前は
今日はいつも通勤している路線と違うバスに乗って竜神町にある大学の推薦試験に向っている最中ですが.....隣には3人女子学生と1人の男子学生が乗っています。
「ねえねえ。亜理紗元気だった?」
そう言いながら声をかけて来るのは中学時代の友人.....いや私をいじめていた主犯格の
「そういや。亜理紗って隣町の高校だっけ?」
綾香といつも仲良く私をいじめていた
「....うん」
すると、私の隣にいる
「亜理紗。そこにいる綾香の彼氏の優吾君を振ったの本当なの?」
「....それは.....」
「本当? 知っていたの? 綾香?」
瑞希が綾香に尋ねると綾香は薄ら笑いをしながら答えた。
「まあ....ね。おかげで優吾とこうやって付き合っているからね。ねえ、優吾」
「そうだな。綾香と付き合って3年経ったんだ」
少し私を全体を見ながら答えていたのが綾香の彼氏である森崎優吾もりさきゆうごさん。
「しかし、偶然だわ。亜理紗と同じ大学を受けるなんて」
綾香はわざとらしく私にそう言った。
「「そうそう」」
安奈と瑞希は相槌を打って頷いて話す。
私と綾香と安奈と瑞希は小学校からの幼馴染でいつも4人で遊んでいた仲だった。
綾香は大手企業の桐谷グループのお嬢様で安奈と瑞希もこの辺りで有名な社長令嬢。
森崎君は中学でサッカーをして全国大会も出た事があって、学校では一番有名な人であったのだ。
私は中堅サラリーマンの父を持った普通の女の子だ。
ある日、この三人が私をいじめ始めた。
その原因が、中学三年生の3学期が始まる頃、森崎君の告白を私が断った事から始まって、綾香達がクラス全員で私をいじめて楽しんでいたのだ。
綾香達のいじめのおかげで私は精神的にショックを受けて2回手首にカッターナイフを斬り付け自殺未遂をした。
それをきっかけで両親は離婚して、私は祖母の家に引き取られてこの街の高校に入った。
何故か私の事が学校全体に届いて、今も私には友達を呼ばれている人は誰もいなかった.....。
私達が通っていた学校は幼稚園から大学までエスカレータ方式のお金持ちが通う学校で、私の他数十人が中学から入る事が出来た。
その当時の母は娘の自由にさせたら良いと思っていたらしく、いつも父と喧嘩をしていたけど、ある日を境に母も私にその学校に入る様に薦められて、私は幼馴染が同じ学校にいるのを嬉しく思い、その学校に入った。
「上川。俺達が何でここの大学の受験するか知っているか?」
「それはどう言う事?」
「やっぱり、知らないのね。亜理紗が受けるこの大学って私の父が理事長で優吾のお母さんが学長。安奈と瑞希のお父さんがここの教授なのよ?」
「え?」
「亜理紗さ。学校の進路担任が此処が良いから言われていなかった?」
「何でそれを知っているの?」
そう、私がこの大学を受ける事になった理由は、私の高校の進路担任が必死に私を説得したのだった。
元々私は高校を出て就職を考えていたのだが、進路担任の先生がお前の実力なら特待生となって学費と入学金が免除されるって言われて、祖母にその事を話すと是非受けた方が良いと言われて.....大学の推薦入試を受ける事に。
「それはね.....私達が貴方を一生奴隷として計画をしたからだよ? ねえ優吾」
「ああ。俺は以前から綾香と付き合っていたんだ。そして、瑞希と安奈も俺の愛人になったのだよ? そして、綾香にお前の事を聞いて、俺のハーレムの一員にしようと考えて告白したら、断られたんだ。本当にムカついてなあ。それで綾香達に相談してお前をいじめて楽しんだわ。お前が自殺未遂したには俺達冷や汗が出たんだ」
「そうね。あの時はやりすぎだったけどね。そのお陰であんたの家族が崩壊、貴方は別の街に引っ越した。けどね.....私は貴方をもっと追い詰めようと思ったの。優吾と安奈と瑞希で計画を立ててね.....まさか現実になるかと思わなかったわ」
そう言って綾香は小声で私に話した。
それは...私に取っては...悪魔のような内容であった。
その内容は元々イケメンで人気があった森崎君はクラスの中で可愛いと言われる女子を自分のハーレムにしたい思って、付き合っていた綾香に相談をして、安奈と瑞希を愛人にしてどんどんと増やして行った。
そして、森崎君の魔の手は私に来たのだが私が断ると綾香の作戦で私を孤立されて、私が泣きつくと思っていたと考えた。
だが、私が二回も自殺未遂をした為、綾香達は別の作戦で私を追い詰めようとした。
それが、両親の離婚とこの大学入試を受けさせる為であった。
私の父は実は綾香の会社の傘下の子会社に務めていて、綾香の父親の権力で父を辞めさせ、再就職をさせないように裏で操作した。
母は、綾香達の母親によってある場所.....瑞希の母親が経営しているホストバーに連れて行き、其処にいた若いホストを使って母を誘惑させて、多くの借金を作らせた。
両親はそれが原因で離婚となり、母は自殺した。
父は我が身が可愛いのか、綾香の父親に私を売ったのであった。
ちなみに祖母も今後の老後で安心して暮らせる為に私が18歳になると同時に私を売ったのだ。
そして、進路担任は.....瑞希のセフレ相手だと、綾香から言われた。
つまり....私には、誰も助ける人がいなかったのだ.....。
森崎君は私に更に絶望な事を言い始めた。
「つまりだな。上川は、もう俺の奴隷なんだよ。お前の父親は仕事が欲しくて、母親は借金、祖母は今後の老後資金を保証する為にお前を担保にして手に入れたのだ。
だから、お前は俺の言う事を聞かないといけないんだ。お前の処女は俺が頂いて、後は俺の親父、綾香達の父親の相手をしてもらうからな」
「優吾。私も亜理紗を抱いて良い?」
「そうだったな。お前は両刀使いだっけ?」
それを聞いて私は驚いた。
綾香は瑞希と安奈とレズ関係で森崎君とは肉体関係をしていたのだった。
そして、この先私は彼等の奴隷として一生終わるのかと絶望していた......。
(もう....この人生...嫌だ絶対に.....お願い神様.....どうか私に次こそ幸せの人生が送れるように.....お願いします....)
私は心の中でそう願った。
しかし、私にはたった一つだけ希望があったのだ。
実は、この竜神前行のバスに乗るのは初めてだったけど、そのバスを運転している人は、いつも私の通勤に使っているバスの運転手だったのです。
名前は知りませんが、いつも私がバスを降りる時に声をかけてくれた。
『お嬢ちゃん。今日も学校かな? 頑張って勉強しなよ?』
『はい。いつも声をかけてありがとうございます』
『気にしないで。いつもお嬢ちゃんは顔が少し暗かったので少しでも元気になって欲しいと声をかけただけ。その元気な顔を見るとおじさんも頑張る気がするから』
『はい....運転手さんに負けないように私も頑張ります!』
『じゃあ。頑張ってね』
『はい!』
運転手さんの事を思い出して考えていると、突然上空から大きな雷がバスに向って落ちて、私は意識を無くすのであった。
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