友達？ですがなにか？。〜からかうアイツは腐れ縁〜

第１話⑤

体育館への渡り廊下を歩いて体育館へと入ると既に１組と２組が整列していて前後で話したり、身を乗り出して仲良い人に話しかけたりしていた。

３組の私達も２組の隣に整列すると落ち着いたのか話し声が聞こえる。

間もなく三年生達が入場して整列していく。

並んでいると徐々に話し声が増えていき体育館内がザワザワとしていた。

進行役の先生がマイクで話し始める。

「えー、静かに。」

少しして体育館内が静まり返る。

「これから始業式を始めます。まず初めに校長先生のお話です。」

進行役の先生がマイクで校長先生の出番を告げると校長先生が登壇してマイクの前に立つ。

「えー、皆さん！おはようございます。」

「「「おはようございます」」」

ちらほらとおはようと返す声が聞こえてきた。

もちろん私も小さい声だけどおはようと返している。

「校長先生は今日を楽しみにしていました。何故か分かりますか？」

「「…………」」

生徒に問い掛けたのか分からないが皆静かに聞いている。

「桜咲く今日の始業式で２年生、３年生の顔を久しぶりに見れるからです。これから皆さんは上級生、最上級生として○✕△◇□…………」

うん、眠くなるなぁ。なんて考えながら２組の方を見る。

女子の列の前の方で小百合の後ろ姿を見付け一人でニヤけてしまった。

ボブの髪を可愛く編み込んで耳の下らへんで二つ結びにしている様だ。

朝は上半分だけ可愛くねじりながら纏めてハーフアップにしていた。

手先が器用なのか、毎日髪型を変えてアレンジしているが上手で羨ましい。

私は不器用と面倒臭がりが相まって簡単にポニーテールにすることが多い。たまにはみつ編みとかもするけれど、基本的にはポニーテールだ。

ゆりの髪型、似合ってるんだろうなぁ〜、前から見たいなぁ。

「……それでは私の話は以上です。」

小百合の事を考えながら後ろ姿を見ている内に校長先生の話が終わったようだ。

校長先生が降りたのを確認してから進行役の先生が再びマイクで話す。

「続いて新任紹介及びクラス担任発表に移ります。生徒の皆さんは座って下さい。……該当の先生方は前の方に並んで下さい。」

座って良いと言われた事で少しだけザワザワとお喋りが聞こえた。

制服のままなので女子は皆横座りで男子は各々体育座りや中には胡座（あぐら）をかいている人も居た。

「それでは新任紹介から行います。」

進行役の先生が名前を呼ぶと一人の先生が一歩前に出て一礼してからまた一歩下がる。

これを十人程の先生が名前を呼ばれるたびにしていく。

全ての新任紹介が終わると先生たちが入れ替わりクラス担任発表に移る。

「続いてクラス担任発表です。一年一組、○○先生……、二組、△△先生……、三組……」

先程と同じ様に呼ばれた先生が一礼していく。

３年生まで全てクラス担任が発表されると生徒達はザワザワとしていた。

「静かに起立。これで始業式等を終わりにします。」

立ち上がり、終わりに合わせて礼をすると、退場するように促される。

「それでは２年１組から順にクラスに戻ってください。」

退場の順番待ちのクラスからはお喋りがあちらこちらで始まっていた。

「新任の先生、格好良かったよねー。」

「えー？そう？普通じゃない？」

「ねー、学校終わったら遊ぼうよ。」

「良いね！何処で待ち合わせする？」

あ、順番きた、教室に戻ろうっと。

渡り廊下を抜けて校舎に入り教室へと入っていく。

教室に戻ると自分の席に座る。

でもただ座ってるのもつまらないよねぇ……。

私は周りを見ることにした。