第1話④

まぁ、色々と朝からありましたけど?


優樹とのそんなやり取りも春休みの間は無かったなぁなんて懐かしいとか一瞬思ったけど、良く考えたら週1位で遊んでたからそれ程懐かしいわけでも無かった。


もちろんゆりと透も一緒だったよ?

当たり前じゃない。


でも学校で話すのは久々でやっぱり楽しくってワクワクもするし嬉しくもなってくる。


イジれるって楽しいよね。

優樹もイジり返してくるしこれはWinーWinの関係って事かな?


WinーWinって何だろう?よく分からないけど最近聞くよね?

まぁいいや。


立ちっぱなしで考え事をしていたのでとりあえずもう1度、席に座る事にした。


私が座ったのを確認した前の席の子がクルリとこちらを向いて話しかけてきた。


「おはよう、深咲ちゃん。これから1年間よろしくね。」


「おはよう、かなめちゃん。こちらこそ仲良くしてね!」


ふわりと微笑んで可愛らしく首を傾げる前の席の美少女は、大野 かなめちゃん。

挨拶してくれた事に嬉しくなって私もニコニコと笑顔で返事をした。


「ねぇ、深咲ちゃん。前から疑問だったんだけど佐田君と本当に付き合ってないの?良く噂になってるみたいだから気になっちゃって。」


かなめちゃんが遠慮がちに聞いてきた声にザワザワとしていた教室の一部の女子達が静かになったのは気のせいだと思いたい。

かなめちゃんの声、そんなに大きくないのになぁ。


私はお決まりになっている否定の言葉を口にする。


「付き合ってないよ。私の幼馴染の山崎透と優樹が仲良いから良く喋ってるだけだよ。」


噂を否定して歩くのが面倒過ぎて直接聞いてきた人に答える事にしてる。

噂なんて何処までも走ってるからね、追いつけないよ。


「そうなんだ。深咲ちゃん山崎君と幼馴染なんだ。」


「そうなの、3軒先が透の家で弟達も同級生なのー。」


「へぇー、なんか兄弟いると楽しそうだよね、私一人っ子だから羨ましいなぁ。」


かなめちゃんはただ聞きたかっただけだったようで、じゃぁと前に向き戻った。


かなめちゃんとは去年は違うクラスだったんだけど、美少女で有名だったりする。

女子の私から見て控えめに言って可愛い!!!

おっとりしてそうな雰囲気で誰にでも優しくて丁寧で頭が良いし可愛い!!(大事な事なので2回言いました。)


一時期噂で優樹の事が好きって流れた事あったんだよね〜…。

噂であって真実では無かったらしいけど。


優樹の見た目はまぁ悪く無いんだろうし基本的には男女関係無く友達も多いし私以外の人にはとても優しくて女子の人気は高いらしい。

まぁ、私には優樹が女子に人気高いとかモテるとか関係無いんだけどねー。


初めて会った時からもうずっと言い合ってばっかだからずっとこのままだと思うんだ。

だって、優樹は友達だし。


一人で納得してウンウン頷いて、私は今日の始業式やその後の事を考える。


2年生になって初日だからこれから始業式だ。

その後は簡単にしか授業がなく、部活も休みの為学校が終わったらゆりと遊ぶ予定をしている。


ゆりの事を考えると楽しみなんだけど早く会いたくなる。

まだバイバイして30分も経ってないんだけどね。


ーーーーーキンコンカンコン……キンコンカンコンーーーーー


鐘が鳴り響いて各々話をしていたのを辞め自分の席へと座り出す。


するとガラガラッと教室のドアが開き、先生が始業式の為に体育館への移動を告げる。


「はーい、皆ー。出席番号順でとりあえず体育館に移動して並んでねー。」


ガタガタと皆が席を立ち廊下に移動して並ぶ。


1組も2組も同様に廊下に出ていて、1組は移動し始めていた。

3組である私のクラスは最後の学年最後の移動の様だ。



これから体育館で長ーーーーい校長先生の話とか新任の先生とかクラス担任発表とか立ったまま聞くの頑張りまーす。

寝ないように気をつけようっと。




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