第63話 評論「木村れい的、子供論❶」
キャッチコピー
「ほのぼの時々まじめ」
前話、nosideさんのコメントをきっかけに、「しっかり、子供を取り巻くこと、考えてきた事を一回まじめに語ろう」そんな気持ちになった。
時折見せる、シッカリまじめの回になる。しかし、真面目度合いが違うな。
1.「小説と子供」
僕は一時期、あまり読まれない子供の小説を書いていた。
小説は、子供を描きながら、小説としてクローズアップしたのは、子供の世界の温かな関わり、大人と子供の優しい遣り取りを投影したい。そんな気持ちで書いた。
だから、実は、リアルに書きながら本当にリアリズムでは当然ない。
もし、子供のホントのリアリズム、取り巻く環境を書くなら、かなり難しい。深刻な部分もあり、ぐったりするかもしれないからである。
そんなものは、自分にも周りにも明るい気持ちにならない。
みんなに幸せを与えるものを今は書きたいからである。
そんな「子供、小説」への思いと別に、しかし、リアルな子供を取り巻く「僕なりの問題意識」を一度、語るべきだ。今回はそんな話になる。
2.子供は現代を映し出す鏡。
子供がどんな環境に置かれているかを見ると社会がわかるんですよね。
「最大弱者の子供が守れなくて、まして社会が大人を、守れるんかい!」
そういうことです。(大人を守るとは、もちろん誰もが知っている基本的人権の問題である)
現代って、どんな問題ありますか?
1番子供に良くないと思われる影響は、間違いなく貧困問題だと僕は、考えています。(福祉施策に行きつく話になりますが、僕は政治家じゃないから、そんな話はしません)
僕の私見ですが、1980年代くらいから、日本社会、大きく、流れが変わってきたのではないか。
🔶少子化の原因は、もちろんにこの変化の中にある。高齢者が増え、少子化が進んだのはなぜなのか?現役世代が居ないからでしょ。大人の働き方の変化により収入が減っている。(多様化は別の問題ね)
結婚がしたくても出来ないひとは事実、増えている。または、子供をみんな持てないから少子化になる。
少子化により、現役世代が少ない社会は、破綻します。
また人口あたりの低所得層の増加により、広い国民からもらう税収は落ち込むから、経済は萎縮して景気は、回らなくなります🔶
様々な子供への変化を羅列していきます。
子供には、教育費が莫大にかかる。だから少子化にもなるし、大学に行きたくてもいけない、大学に多くが奨学金を貰って通う。そんな経済格差は、子供の可能性を狭くして、閉ざしている部分がありますね。
子供は、どんなところに住んでいますか?
賃貸アパート、団地、都営住宅もいれば、もちろん持ち家、分譲マンション、色んな場所に子供は、親により規定され、住む場所が決まります。誰も自分の住む環境は選べない。
地方、都心問わず、今、小さい子を抱えるような夫婦。若い世代がどれだけ家を買えるだろうかと…。
持ち家率は、かなり減少しているはずで、自分の親の世代は、持ち家があっても、自分の世代はかなり難しくなっている。まして我が子の世代は更に厳しい。
こんな社会を取り巻く変化の中で、家族の関係性が変わってきた。
共働き家庭が殆どになった。あと共働きでも大変なのに、片親の問題。収入は一人分なのである。シングルマザー、シングルお父さんの問題は生活に非常に大きい、そこは皆さんわかるところだろう。
また、兄弟が少ないと影響し合うものが変わる、鍵っ子が増えているわけである。
日々の生活に余裕が全くない親を見ている。苦しそう。子供との会話どれだけしているのかな。
親に気を遣い、萎縮する子供像が見える。
(しかし、必死に働く親の背中を見て子供は育つ側面がもちろんあるのだけれども、もちろん人によるけどシングルマザーのお子さんは、めちゃんこお母さん思いになるよなあ)
地域はつながりがあまり無い社会になっているのは本当に切実だと思う。
地域のひとが繋がり合うと子供を守ることが出来る機能がある。
子供が優しい大人に囲まれて育つこと。または近所のうるさい頑固じじいに怒鳴られたりすること。反面教師にしろ子供は、地域から学ぶのである。
防犯は危うくて、なかなか地域に簡単に子供をのびのびと出せない。
大人から子供に
「知らない大人に話しかけられても、無視しなさい!」
「変な大人がいるから怖いんだよ!」
大人から子供に、おいそれと話しかけたら、ヤバイ人になり、親から「キッ」と睨まれるようなそんな社会になった。
幼少期から「人を信じないように教えるような社会」にいやがおうなく、なっている。そこが問題ではないだろうかな。
そして、つまり子供は、孤立化を深めているわけで、そこが問題である。
DVやネグレクトが顕在化している。
親が親になりきれない、そんな親が増えてきているのかもしれない。
ただ、ネグレクトに経済的な要因は間違いなく影響している。
こうしていろんな側面で、社会を見る時に、社会矛盾は、子供を見るとよくわかる。
めたくそ、長くなりましたが、だから、子供を僕は、重視しています。
子供は現代を映し出す鏡なのです。
衣食足りて礼節を知る。子供が子供らしく、のびのびと自由意志を発揮できるような社会で無くてはいけない。まとまらない文章を羅列したけど、つまりは、衣食住の変化が、子供に影響を間違いなく与えているのだ。
子供が愛情に囲まれて、愛を身体の中に育むことができるような、社会的な環境が整わないといけない、僕はそんな風に考えています。
木村玲的子供論
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