第21話「俳優の可能性は無かった」


だいぶ前の話。


私はある有名芸能人のつくっているかなり有名な巨大芸能事務所のオーディションを受けた。笑われそう(笑)

しかも受かった(笑)



 ディレクターが電話してきて、お金はかかるがレッスンを受けてほしい。


働きながらできます、説得を受けた。


お父さん世代の俳優の需要があると言われて、誰にでも声をかけてはいないよと、もちあげられたが、「お金かかるならやりません。


可能性を試してみたかっただけです」と丁重にお断りした。


むかし、大学生の時に俳優になりたいと少しだけ考えていた時期がある。


それでエキストラの事務所に所属しながら機会を待つ的なほぼ実現性の全くないようなアルバイトをしていたことがある。



エキストラはある意味は過酷だ。


交通費はたしかあまりでないし、時給も安いのに、とにかく、待ち時間と拘束時間が半端ない。待ち疲れるのだ。


しかし楽しいこともあった。有名な俳優が本当に目の前にいたからだ。単に嬉しい。


阿○寛は昔はカッコつけなキザな奴だった印象。背中を壁にもたれて帽子を被ってうつむいていた。


今は味のある俳優だ。大好きな俳優。



鶴○真由を見た時には、この世にこんなきれいな女性がいたのかとびっくりかなりの強い衝撃をうけた。


顔がめちゃくちゃ小顔なのにハッキリした顔立ち。だが東洋的な魅惑の美人だった。



本○雅弘を見た時にギリシア彫刻みたい。


とすぐに思った。テレビで見るよりだいたい合うと俳優はみんな顔が濃い。濃い顔でないとTVに映えないわけだわな。


橋○功はふつうのおっさんだった(笑)


柴○恭兵は、エキストラの集団に待たせてすまないな、もう少し頑張ろうな、と励ましにきたり温かい人でした。



またもう一つ面白いのが、なぜか一流芸能人でも、1エキストラでも平等に同じロケ弁を食べる点に驚いた。


弁当はタダだし弁当だけは嬉しかった(笑)まあまあ豪華だった。



たしか、日○カップヌードルのCMに後ろ姿の手をふる姿がでた。


兄貴とCMがあるたびに、れいの後ろ姿だな!(笑)となぜか、家族はわかるから受けた(笑)。


あと、バスを降りる役、喫茶店でコーヒーを出す役、なんのドラマかも、さっぱりわからないが出演した事は事実だ。



俳優志望のいつも合う人からは、夢を聞いたりした。


彼が言うには、よく芸能人のサクセスストーリー波乱万丈的なドラマに芸能人の若き時代役などの需要機会があり、それに出るのを狙っている、友達は出たみたいな話を聞いたりした。へ〜〜そんな美味しい役柄のチャンスもあるのかな。とは思った。


しかしやはり地味な役柄しかこなくて飽きてやめた。


また、マイナー劇団のオーディションを受けてみたら、しっかり演技テストがあり、しっかり演技した記憶だ。


それもしかし実は受かったが、やはり養成所にかなりお金がかかる案内を見てやめた。



 あるときに、なんか、ヘアマガジンだかが、読者モデルを募集していて応募したらアッサリ出た。


メイクさんにヘアメイクされた。2ページ。4人モデルの先頭に掲載された。



母親に教えたら何冊か買い込んでいた(笑)


私は世に1回でたし、もういいやと思いそこで役者の道は諦めた。


 また実は、それ以前に、当時に大学に劇団があり公演もみたうえで入部に訪れたこともある。


部室に入ったら、真っ昼間なのに部室は薄暗い。


飲むか?といきなり匂いのキツイ酒をだされた。はっ?ジンという酒だと言われた。


ジンって油絵の絵の具みたいな匂いだなと思えて気色悪くて飲まなかったが後には好きになる(笑)不思議だ。



 そこで部室の黒板をみたら、桁の多い数字が名前の横に羅列されていて、これは何かと聞いたら、団員にボンボンがいて、そいつに対する何十万という個人的な借金だという説明だった。


劇団はとにかくとにかく舞台やら何やらみんな自前だから持ち出し貧乏生活の生活苦なのだ。と厳しい現実を知る。


 しばらくはなんとなく3日くらい部室に居て当時に部室の大々的引っ越しがあった。いやおうなく引っ越し手伝いをさせられた。


肉体労働である。それが終わった頃に考えが甘かったと悟り退部した。


  それ以来の試みだった。


シニアオーディションというジャンルだ。


おじいさんが採用されるなら、中年だってとるだろうと思い小遣い稼ぎできないかな、くらい期待したがそんなアマイ話があるわけはない。


だいたいが芸能人になる人間なんてのはかなり飛び抜けたオーラのあるような人である。



ただかんたんな演技テストと面接があった。1グループ単位は30人くらい居てみんなの演技、容姿などを見たが僕がディレクターなら採用したいと思う人は一人くらいでやはり芸能人事務所に在籍経験のある出来上がった人でした。



まあ面白かった。演技にめっちゃ緊張した。恥ずかしくて穴に入りたいとはこのことだ。昔は平気にできたのに。


かなりメンタル強くないと役者はだめだ。向かないなとかんじた。最初からわかってはいたが何事も経験である(笑)



 蛇足になるがこの大規模事務所にオーディションにいったら、会う若者が、元気におはようございます!とみんな挨拶してくる。


スーツきてたし、たぶん芸能関係者、採用者などと間違われたんだろう。そんな年齢だわな(笑)

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