第19話 「くす玉コンテスト」

中学生の思い出(番外編)


「くす玉作り&私が卒業できた理由」


中学生の思い出に残るのが、くす玉作りだ。考えてみたら2中はなぜに文化祭でクラス対抗くす玉コンクールの伝統があったんだ。



入学時に高学年の作ったくす玉展示をみた時にすごいとかなり感心して1年時にはじめてくす玉の責任者になった時に、かなりプレッシャーを感じた。


ただ私はそこに居場所があり助かった。私はくす玉づくりの責任者を1〜3年まで連続して任された。でも正直はあまりたいして私自身は活躍していない。


 1年時のくす玉は「いが栗」。


それもイガを割り、更に中の栗を割るという二重構造。


よくこんなめんどくさい構造考えたなと思う。栗は、紙やダンボールで作った。近くに小さな文具店がありノリなどがすぐに無くなり通った思い出。



 2年時は「ベン・ジョンソン」。


これは間違いなく中谷くんが大活躍。


中谷くんは見事なまでにベン・ジョンソンの顔を精密に発泡スチロールで再現した。


私は主に筋肉ムキムキの胴体を担当。


発泡スチロールでくす玉を作る流れが、どこかからあり、クラスのみんなに家庭から発泡スチロールを持ってきて!と頼んで大量にかき集めた。



 薄い発泡スチロールを何枚も重ねる。ボンドで張り合わせて厚みをつくる。


金ヤスリで造形する。周囲は発泡スチロールが舞い呼吸困難になりそうな感じだ。


かなりしんどい作業。よく作ったもんだなと感心する。 


  

 当時、ライバルのカール・ルイスとの100メートル走でベン・ジョンソンが9秒83を叩きだし金メダル。


話題沸騰で周囲が興奮していた。


それでベン・ジョンソンに決めたと思うが、作成途中で、ベン・ジョンソンのドーピングが発覚した。


慌てて、くす玉の紐を引くと同時にクビからかけた金メダルが落ちる構造に切り替えた。


金メダル剥奪されたベン・ジョンソンを残酷にも再現していたわけで考えてみたら酷い。



 また、当時に中谷くんら(たぶん複数いた)とベン・ジョンソン&カール・ルイスの100走を再現したコントをたびたび、誰に見せるでもなく、繰り返しやり、笑いあっていた。


 記録を出した時のベン・ジョンソンの走り方がとにかくパワフルでインパクトが凄かったのと、真似したのがゴールした後だ。


 ベン・ジョンソンが1位になり、天に右腕を伸ばし人差し指をたて1番を宣言しながら走る。


そこに負けたカールルイスが健闘を称え合うために、包容を求めるが、ベン・ジョンソンが一瞬、気付き、相手にしたかのように見えて、サッと踵を返して、同国の代表選手にかけよってしまう。


まあ、かなりハッキリした無視だ。


中谷くんと僕はこのシーンが面白くてたまらない。


二人で並走しては、カールルイスをベン・ジョンソンが無視するシーンを交互に真似し合った。(笑)馬鹿なイタズラな中学生だ。



 3年時は「招き猫」だ。


これもかなり凝っていた。僕はまた胴体を先に作っていた。


だいたいは胴体は出来て、次に猫の顔を作り出したが、これがうまく行かない。


顔がうまく立体的に作れない。


大体が僕は集中力はあるが、うまく行かないと飽きるうえに投げ出す。


そういうタイプだった。


投げ出してやる気を無くし呆然としていた時に、美術部のうず(あだ名)がいきなり「れいくん猫の顔できたよ」と言って見せてくれた。


かなり驚いた。私のダメダメな顔を途中から、うずが引き継いで見事なまでに完成させていた。


見せられた時に、うずが神に見えた。


凄い。可愛らしいうえに、上手く立体的にできていた。


俺はこういう可愛らしい感じに作ろうという発想なかったんじゃないかな。


 だから僕はその時に「うずってすげえなあ」と心から敬意を感じ、ありがたく思った。


またその後も猫の台座を千両箱にしたり、出てくる垂れ幕に平成を象徴した消費税の一円玉をつけるなど、うずや飯塚くんらがだいたい作ったんじゃないかなあ。


私が投げ出していたくす玉づくりを周囲が助けてくれたために、私のくす玉の思い出はここに結実したのだ。


最後に、3年時は学校にあまり行った記憶があまりない。


では、私はなぜ中学最高学年を卒業できたのか?


それは、クラスメイトのHさんが、板書を常に2人分ノートを取り、学校にたまに行くたびにうつさせてくれたからだった。


流石に殆ど授業に出ないで僕も学習できない。


多分、全教科。もはや神にしか見えない。ありがとう。


私の思い出番外編でした。おわり


うず、飯塚くん、Hさんありがとう🙂



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