第18話 「悪夢」

「夢(寝ている間の睡眠中の夢)」


 なぜいまこんな夢を見たのか。



睡眠中の夢だ。夢の中では人間が人間でなくなっていく夢だった。人間が溶けていった。


原爆を浴びた人間かもしれなかった。


ナチスのホロコーストの毒ガスを浴びせられた人間かもしれなかった。ただただ人間が人間でなくなり溶けていった 



なにかの象徴なのかわからない。


僕は人間が人間でなくなる幻想。


悪夢の中に溶けていく人間をみて、悲しくって夢の中で、苦しくて、泣いていた。苦しいよ、悲しいよ、悲しいよ。



僕はたった今、幼き時にも睡眠中にみた夢を何か思い出した、かすかな記憶。遠い記憶だが、何回か見たデジャブのような記憶。


 人間が蝕まれていくような、人間が人間でなくなる空恐ろしいさまを。


戦争に狂う人間かもしれない。殺人に狂う人間なのかもしれない。なんなんだろう。


頭のなかで。戦慄して泣いていた。機械のように酷使され道具にされて人間性を失う人間が人間でなくなることともつながるかもしれない。


人間のヒューマニズムが潰されて溶けてゆく。 


 たぶんやはり1番は原爆なんじゃないだろうかという気がする。


だから幼少期にはだしのゲンなどを見た思い出なのかな。


 人間は人間であらなければいけない。溶けていく人間ほど悲しいものはない。


まさか無観客で空虚なオリンピックを見て思ったんだろうか。(オリンピック反対派)でもそんな人間が溶けていく姿をみたら今必死に書かなくてはと体が動いた。


魂の叫びだ。人間が人間である社会に僕はしたい。涙が溢れる。


2021.7.24 早朝4時40分 木村れい

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