Case1 「コソコソタイプ」が一番ヤバい・・・?

 非法少女の存在は何も現代に限ったことではありません、筆者がスカウト現役時代においても彼女たちは存在していました。

Case1で取り上げる最も典型的な非法少女の事例として「コソコソタイプ」を挙げましょう。

彼女達コソコソタイプの非法少女にはどのような特徴があるのでしょうか、以下にまとめてみます。


<コソコソタイプの特徴>

・8歳から11歳に多くみられる

・内向的

・周囲に依存しがち(特に身近なリーダー的存在に)

・夢想家


 大きくまとめるとこの四つです。

コソコソタイプの非法少女は幼さ故に夢想家です。

そしてグループで活動する魔法少女たちの一員であることが多く、そのリーダー的存在に自身の理想を投影することが多々あります。

それが災いの源です。

グループのリーダー的存在が少しでも自身の理想とは異なる言動を行ったが最後、コソコソタイプの非法少女に殺されてしまいます。


 コソコソタイプの非法少女が起こした事件として最も有名なものは、「聖パピヨン学園心中事件」でしょう。

犯人は神崎心音かんざきここね、初等部の学生魔法少女でした。

彼女は思いの強さを爆発に変える魔法少女であり、パートナーは私の同僚であったA氏でした。

彼女は中等部の森嵐子もりらんこ率いる魔法少女グループ「ストーム」の一員であり、「弱音を吐かない」というグループの理念を貫く森嵐子に憧れを抱いていました。

しかし、ある時神崎心音は森嵐子の秘密を目撃してしまいます。

森嵐子には恋人がいました、彼女と同じ中等部の島裕子しまゆうこです。

「弱音を吐かない」という理念を掲げる森嵐子ですが、それは彼女の虚栄心の現れ。

その虚栄心を解き、唯一弱音を吐ける相手が恋人である島裕子でした。

彼女たちの逢瀬を垣間見た神崎心音は何かにとり憑かれたようだった、とA氏は述べています。

その数日後悲劇は起きます。

初等部の教室に朝早く呼び出された森嵐子、やって来た彼女の背中に凶刃が襲い掛かりました。凶器の包丁は彼女の家から持ち出されたものでした。

心臓を貫かれた森嵐子、瀕死の状態の彼女に神崎心音は"その時"までずっとそばにいたようです。

A氏が異変に気付きストームの魔法少女たちと彼女の元にたどり着いた瞬間、彼女の能力である爆発が起きました。

この爆発によってストームの魔法少女四名のうち三名が死亡、一名は瀕死の重傷を負い、A氏を除いた妖精も消滅するに至りました。A氏もこの爆発によって妖精としての仕事を全うすることが不可能となりました。


この実例から私たち妖精は何に気をつけるべきでしょうか。

予防策としては上記の特徴からスカウトをあきらめることが妥協策でしょう。

しかし、魔法少女にしてしまった後の事後策も存在します。

これについてはまた後の第二章「やっちまったら、対処しろ!」で取り上げようと思います。



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魔法少女スカウトのススメ 羽柴ddk @hashiba22k

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