第2話 異世界転生

その後、また暗闇の中を進んでいく。


また新たな光が見える。


辿り着くと、そこにはいかにも神と言わんばかりのご老人がいた。


「よく来たの。ワシは、この世界の神じゃ。」


よし!異世界といえば、チート級のスキルをしこたまくれるに違いない!オラワクワクすっぞ!


「ワクワクしているところすまぬが、お主にはもう宿命があるんじゃよ。」


な、なんだと…!?


「ここにくる前に、ルーカスという男と会ったじゃろ?あやつはワシのミスで迷惑をかけてしまったんじゃ。じゃから、可哀想で申し訳なくてな…。」


急に全裸で現れてきて、ただの変態にしかみえなかったが。


「そんなルーカスと魂の共鳴がお主はできたんじゃよ。」


ソレッテドウイウコト?


「きっとヤツとお主は似ておるんじゃろな。」


…衝撃的な事実を言われた気がした。


「これであやつもゆっくり休めるじゃろうて。では、カズキよ。ワシの尻拭い…じゃなくて、ルーカスのためにも頑張るのじゃぞ!」


なんか、尻拭いって聞こえた気がしたけども!?


「お主は、ルーカスのスキルを引き継いでおるで、それ以上のスキルはワシは与えられん。じゃから、ワシからはお主の世界での“ゲーム”とやらのステータス画面的なものが使えるようにしたるで。ヘルプ機能も付けてやるでの。あと、この世界のヒューマン語も聞いたり、話したりできるでな!では、いってまいれー!」


あれ…急に眠くなってきたぞ。まだ、聞きたいことは一杯あるのに…!


俺は、そのまま意識を失ったーー



ハッと気付き、目を開けるとだだっ広い草原で仰向けに寝ている自分がいた。空はとても澄んでいて綺麗だ。このまま寝ていたいところだが、やはりステータスが気になる!


よく分からないが、とりあえず心の中でステータスとイメージしてみる。すると、昔ゲームでよく見たステータス画面が出てきた。


ーーーーーーーーーーーー

カズキ

レベル 1

攻撃力 13

防御力 64

素早さ 55

魔力  102

耐性 火 水 風 土 ダメージ3/4カット

   光魔法無効 闇魔法受けるダメージ2倍

スキル ルーカスの魂

    魔道具製造

    裸族

ーーーーーーーーーーーー


いや、攻撃力よわっ!

近接戦好きだったのになあ。というか、ルーカスの魂ってどんなスキルだよ。魔道具製造もよく分からんし。…裸族はスルーしよ。


魔法とか使えるんかな。ちょっと恥ずかしいけど、誰もいないし試してみようかな。


「ふぁ、ファイヤー!!」


手を前に出して叫んでみるが、ウンともスンとも言わない。


「まあ、無理だわな。」


一人でボソッと呟く。その瞬間、後頭部に激痛が走る。


「っ痛!!」


何が起こったのか分からずに、のたうち回る。


後ろを見てみると、背丈が同じくらいの物体が見える。明らかに人間ではない、とんでもない異臭を放っている生き物がいた。ゲームでいうと、ゴブリンみたいなヤツだ。


現時点で、魔法は使えず。武器もない。ステータス的にも、攻撃力は皆無だったためこれはまずい。


瞬時に、走って逃げる事を選択。

いざという時の、頭の回転の速さはすこぶるいい。


ダーッと隠れれるように森の方へダッシュする。足の速さは、いい勝負だ!隠れる場所があれば、逃げ切れるかも!


そう思ったが、ゴブリンも子供並みの知能はあるって聞いた事があることを思い出した。


まさか…っ


気付いた時には遅く、森にはゴブリンが数匹隠れていた。複数のゴブリン達が、棍棒を振りかぶる!!


死ぬ…


そう思った瞬間、スパッスパッスパッっと

ゴブリン達が横3つに切れた。ドサドサッと、血飛沫と肉片が地面へ落ちる。


「君、大丈夫かい?」


これまた、赤い髪を後ろに縛ったイケメンが現れた。


「あ、ありがとうございます。」


身なりは冒険者といった感じで、皮が主の軽装だが部分部分に鉄の防具を付けている。そして、イケメン。なんかイケメンばっかで気分が悪い。




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