第4話 第11代宰相 ツワ・リンデル・リョウクン
第11代宰相のツワ・リンデル・リョウクンは、ツワ家の血筋に近いツネ家に、弟が婿養子に入ったことで、ツフ家とツヤ家と皇位を自分の子供や孫に継がせる計画に入る。
まず、ツヤ家に目をつけると、ツヤ家11代目に男子が居なかったことで、ツヤ家の長女に自分の次男を婿養子として送る。
次にツフ家からは、長女を長男の嫁として迎えてツフ家との繋がりを強くする。
三男には18代国王の次女を嫁にもらうと、そのまま、どこの貴族の家も継がせずにおくと、四男には、ツフ家の10代目の四女と結婚せる。
しかし、彼女には兄がおり、ツフ家11代目を継いでいたが、正室と2人の側室を持っていて、8人の子供を授かるが、全員女子だったことで、リョウクンの四男にツフ家12代目を継がせた。
第18代国王は、女子2人をもうけたが、その後、しばらく子供ができずにいたが、何とか男子が誕生した。
これで、リョウクンの思惑はたたれたかに思われたが、第18代国王は長男の成人前に他界してしまう。
その為、成人前の第18代国王の長男に、第19代国王を引き継がせる。
戴冠した第19代国王なのだが、成人前に他界してしまった為、現国王の血筋に王位を継げる人がいなくなってしまう。
そこに、第11代宰相のツワ・リンデル・リョウクンの三男が浮かび上がってくる。
ツ・バール国として、国王の問題があってはいけないことなので、どの家も継がせてなかった、第11代宰相のツワ・リンデル・リョウクンの三男である、ツワ・エイデル・リョウリンを、ツ・エイデル・リョウリンとして第20代国王にさせる。
国王であるツ家、大公家であるツネ家とツフ家が、第11代宰相である、ツワ・リンデル・リョウクンの弟と息子達に移ってしまったのだ。
だが、ツワ・リンデル・リョウクンの謀略は続き、次席大公家であるツヤ家にも及ぶ。
ツヤ家11代当主にも男子が居なかったことで、急遽、側室3人を持たせて、子を産ませたのだが、誕生したのは全て女子だった。
そこで、ツワ家の次男に嫁いでいた、ツワ・リンデル・リョウクンの長女夫婦をツヤ家に入れて、ツヤ家の当主を次男にさせてしまったのだ。
この第11代宰相のツワ・リンデル・リョウクンによって、ツ・バール国王位と三大公家の乗っ取りが完了する。
その頃には、人口でも大国の北の王国を抜いて、大陸一の人口を持っている事もあり、ツワ・リンデル・リョウクンの指示で、息子の第20代国王ツ・エイデル・リョウリンの名の下に国名をツ・バール国から、大ツ・バール帝国に改名させ、国王を皇帝と変えさせ、国民を帝国臣民としている。
そして息子である国王に、大ツ・バール帝国、第20代皇帝ツ・エイデル・リョウリンと名乗らせたが、ツワ・リンデル・リョウクンの野望は止まらず、その野望は、国内から国外へと移った。
そして、その孫にあたる第21代の現皇帝である、ツ・リンクン・エイクオンは、ツワ・リンデル・リョウクンの影響を強く受けて、政略結婚をうまく使い、今度は他国への外交政策として自分の娘達を送っているのだった。
ただ、第21代皇帝のエイクオンは、正室との間には子供が授かって無い。
その為なのか、10人の側室を持ち、八男十二女を授かり各国と政略結婚として、10人の皇女を他国へ正室や側室として送り込んでいる。
また、他国へ嫁入りさせる皇女には、多くの侍女と貢物を携え大きな行列を作って、嫁入りをさせている。
帝国の領土を出た後は、可能な限り多くの街を回るように移動し、街道にはその行列を見ようと多くの人が列をなした。
宿場ではその行列の宿泊費食費等多くの費用を帝国が負担しているので、行列の移動により近隣諸国の宿場はその花嫁行列のおかげで大いに潤うこととなり、大ツ・バール帝国の名声を高くさせた。
それも、大量の穀物輸出国であることで、100年以上に渡って国庫に収められた収入で賄われたのだが、それもツワ・リンデル・リョウクンが、第21代皇帝ツ・リンクン・エイクオンが皇帝位を継ぐ前に知恵を授けている。
また、嫁入りの時に皇女達に連れられていった侍女達は皇女の身の回りの世話と、各国の情報集めをさせている。
特に貴族の動向と、皇女からの話で各国の皇室の内情を探らせている。
侍女から繋ぎ役に情報を伝えその後帝国に情報がもたらされるルートを確立させた。
ただ、第21代皇帝ツ・リンクン・エイクオンは、幼少の頃からの友人であるスツ・メンヲン・イスカミューレンによって、情報を得ていた。
エイクオンは、友人であり、商人であるイスカミューレンの商人のネットワークを使って、嫁がせた娘の侍女達からの情報を受けて、その情報をイスカミューレン経由で受けていた。
そのシステムを確立したのは、エイクオンの長男であるツ・リンケン・クンエイだった。
クンエイは、情報を得るネットワークを、組織として確立させた。
帝国軍の秘密諜報部隊として、兎機関を設立し、軍上層部の一部と皇帝と宰相だけが知っている組織となっている。
各国の情報の伝達は、兎機関が侍女達からの情報を定期的に集めている。
兎機関は、商人や医者、吟遊詩人、学者等、あらゆる職業になりすまし、侍女が集めた情報を受け取り、その情報を帝国に送り、必要とあらば暗殺も行う機関として活動を行わせ、自国の皇女達に優位になるように活動させている。
各国で暗躍する帝国の秘密情報機関の暗躍により、一部の国家とギルドが、その情報を掴まれているが、おもてだって攻撃するような事は無い。
今のところ兎機関と他国との小競り合いのような話は報告されてない。
ただ、それは帝国が過激な行動を行なってないから、動きが無いだけかもしれない。
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