第40話 キスだけで

(うわ、何だこれ。今までしたキスで一番気持ち良い。柔らかくて、プニプニしてて、吸い付いてくる。)

はぁっ、という吐息の合間に、熱を帯びた声が混ざる。私の声だ。

「聖子さんのこと、気持ち良くしなきゃなのに、私、すっごく気持ち良くて…。」

私の舌が、彼女の舌に受け入れられる。

クチュ、ジュル、といやらしい音と、私が発する喘ぎ声が部屋に響く。

「ねぇ、聖子さん。私すっごく感じちゃって…イクかも。」

とろんとした目の斉藤が「私も気持ち良い、イッてもいいよ。もっとキスしよう?したい。」と私の頬を引き寄せる。誰ともつかない口の中で、絡み合う舌。混ざり合う唾液。

はぁ、んっ、んんっ、あぁもうダメ、イッちゃう、あっ、あぁっ…。私の声に聖子さんの声が重なってくる。

「聖子さん、イキたい。もうダメ。イッていい?」

うんっ、はぁっ、いいっ、んっ、んっ、あぁっ…。

目の前がチカッと光り、聖子さんの腿の間の脚がビクッビクッと痙攣した。

聖子さんの右腿は、私から溢れ出した液でビショビショに濡れていた。


斉藤に被さったまま、ハァハァと乱れた呼吸を整える。意識を取り戻し、彼女の鎖骨を指でなぞりながら舌先で後を這う。

「すごかったね。」

「何がですか。」

達成感と恥ずかしさで、思わず半笑いになってしまう。

「私も、しっかり気持ち良かった。キスって、こんなになっちゃうんだね。」

「聖子さんを気持ち良くできたなら、良かったです。次はもうちょっと、ゆっくり、気持ち良くなります?」

そう尋ねながら、彼女のバスローブの紐を解き、彼女と自分のバスローブをベットの外に放り投げた。斉藤が私の身体を見て、質問をする。


「下、履いてないんだね。」

「そういうもんでしょ。」


そう答え、まだ熱の残る身体で彼女を後ろから抱き締めた。

「男の人とは違う安心感があるね。」

彼女が言う。私も同意だ。スベスベで柔らかい彼女の肌は、身体を寄せているだけで安心感・幸福感がある。それを噛み締めながら、彼女の背中に舌を這わせ、右手で大きな胸を包み込む。

「そうですね、あとは身体くっつけ合うだけで幸福感に浸れるってのも、ポイントですかね。」

あぁ確かに、といった返答がある。

彼女の両腿に、背後から私の右脚を挿し入れる。

「いい感じに潤ってますね。とりあえず今は、脚でガマンしてもらえますか?後でちゃんと触りますからね。」

彼女がうん、と小声で頷く。


「まだ今は、幸せな気分に浸っていたいです。」

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