第38話 下僕の全力

バラエティ番組が流れるテレビの前で、ソファーに腰掛けるバスローブ姿の斉藤。陰部に顔を埋める私の両肩に掛けられた脚。背中越し、不規則に押される私の身体と唇。今の状況を頭の中に整理する。斉藤の表情が窺い知れないのが残念だが、今の下僕的状況では致し方ない。堪らなく、官能的だった。

「聖子さん、ここまで来たなら、一緒に溶けましょう?指、入れていいです?」

彼女から返事はない。その代わり、彼女の手が私の頭に乗せられた。

「痛かったり嫌だったら、言って下さいね。」

突起を口に含んだまま、入り口の様子を中指で確認する。「早く来て。」と言った感じだったので、指先を動かしながらゆっくり挿し入れる。

「はぁっ…気持ちいい…。中、熱いしトロットロですよ。ずっと入れてたい。」

くちゅ、くちゅ、と中指を動かすも、まだまだ刺激が足りなさそうだ。突起から顔を離し、斉藤に尋ねる。

「指、もう一本入れて良いです?」

こくこく、と彼女が頷いた。

ソファーの上の彼女の隣に座り直す。顔が近い。キスは、まだやめておこう。

彼女の顔を見ながら薬指も差し入れると、

「ああっ!やばいっ!はぁん…気持ちいい…。」

事が始まってから、斉藤が初めて本音を顕にした。その反応で、私からも思わず吐息が漏れる。

「はあっ…聖子さん、ちょっと激しめに動かしますから、痛かったら言って下さいね。」

くちゅ、くちゅ、ぐちゅぐちゅ、グチュグチュグチュグチュ…バスローブのはだけた斉藤の肩を掴み、中に入れている右手に力を込める。

「あぁ、いい、気持ちいいよぉ…はぁ、もっと、いい…!」

叫んでいるのか喘いでいるのか区別のつかないような声で彼女が言う。もうダメだ、私がイキそう、と右の腕ごと力を入れ、手のひらで突起を押しながら中をしごく。


何とか私の意識は保たれたまま、彼女が果てた。


ぐったりしている彼女から指を抜き、垂れたものを備え付けのティッシュで拭く。彼女のバスローブを直し、彼女を後ろから抱き締め、ソファーに横になった。

彼女が肩で息をしている。あまりの愛おしさに、彼女の後頭部に唇を落とした。さっき自分も使ったシャンプーに、ほんのり彼女の汗が混ざったような香りが鼻に入る。

「いいニオイ。」


つい、ウトッとしてしまった。

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