前野家初訪問
「ここで、いいんだよな...?」
俺は今、仕事場である平野家の前に来ている。
「まるでスネ夫の家だな」
金持ちであることは知っていたが、ここまでとは...。
学校から十分程歩くとつく存在感マックスの豪邸は、外国の宮殿を連想させるほど立派なものだった。
「あれ?優斗くんじゃないでか!家こっち方面だったんですか?」
「はぁ!?うちの前で何してんのよ!もしかしてストーカー?キモ!」
「本当に何してんの?」
声のする方に振り返ると、前野家三姉妹がこちらに歩いてきていた。
...最悪だ!まさかここでこいつらと出くわすとは。
「そこどいてくんない?邪魔」
「お、おい。ちょっと待て。結月エマってやつを呼んでくれないか?ちょっと用事があってな」
「え?なんで家らのメイドの名前、優斗くんが知ってるの?」
紗季が少し怖がっている様子で俺に聞いた。
「あ!もしかしてエマさんが昨日言ってた明日から私達の執事を担当する人って...」
...家に入れてもらえなくなるかもしれないからあまり気づかれたくなかったんだが、もういいか...
「そうだ。今日からお前らの執事を担当するのは俺だ」
「は?...」
「うそ...」
「そうだったんですか!よろしくおねがいしますね!」
ただ一人かなえだけが笑顔だが、ほか二人は驚いたような、ショックを受けたような顔をしている。
「嘘だと思うなら結月さんに聞いてみろ」
ちなみに結月さんというのは、師匠が電話で言っていた、俺と同じく今回の任務のために護衛組織から派遣された『守り屋』である。
「おかえりなさいませ、かなえ様、紗季様、ひらり様」
「あ、エマさん!」
噂をすれば何とやら。だだっ広い庭から、結月さんが歩いてきた。
「エマさん、優斗くんが家の執事として働くって、本当なんですか?」
結月さんは俺の方をチラッと見ると、
「はい。何か問題が?」
...随分と高圧的だな...
結月さんは綺麗な銀髪をしており、賢そうな顔つきをしている。
「問題だらけよ!こいつが執事なんて嫌!」
ひらりは駄々をこねる子供のように叫んだ。
「知りませんよ、そんなこと。優斗さんは中に入ってください。色々と説明しなくてはいけないことがあるので」
結月さんがカードを何かに通すと、大きい鉄製の門が、ガガガ、と、ゆっくり奥側に開いた。
...結月さんはなんでこんな強気な言い方なんだ…?そうか!舐められないようにするためか!
「流石ですね!」
羨望の眼差しでそういうと、
「何がですか?さ、私についてきてください」
何を言ってるんだこいつ、と、言うような顔を向けられた。
...舐められないためじゃないのか?ていうか、後ろでギャーギャー言っているひらりは置いていっていいのか...?
オヨミイタダキアリガトウゴザイマス
キャラの名前を勝手に変更しました。スンマセン
よう→ひらり
直した方がいい点等あれば、お教え頂けると幸いです。
デワマタ
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