第3話 才能を決めたよ!

よし!

この才能に決めたぞ!!

ラノベを読み漁り、ラノベを極めた俺に隙は無い、

この10種類の才能があれば何とかなるはずだ。


次に何をしたら良いんだろう?

取り敢えず管理者さんに選び終えた事を伝えれば良いのかな?


「管理者さん、才能を決めましたよー」


「はい、ちゃんと10種類の才能を選択出来てますか?忘れてても後から追加は

出来ませんよ?」


「大丈夫です、間違いなく10種類選んでます。」


さすが管理者さんはフォロー力が高いな、俺の抜けに気遣ってくれるとは。

でも大丈夫だ、間違いなく10種類の才能を選んでいる。

抜けや勘違いで選んでないかを何度もチェック済だ。


「それではチキューリーに転送しますが転送場所に要望はありますか?」


「えっ、転送場所って選べるんですか?」


「はい、基本の転送先は王城になりますが、過去には草原や森を希望する方も

いましたので。」


成程、たしかにラノベでは平原や森がスタート地点になるものも多いな。

王城より平原や森の方が良いんだろうか?


んー、でも考えてみれば、スキル制の異世界ならばともかく、

才能制の異世界だと平原や森からスタートして努力って出来るのか?

努力しないと効果が現れないんだからすぐ詰むんじゃないか?

一般人のままで森で出現する定番の敵キャラである、

ゴブリンや狼、熊とかに襲われたら簡単に死んでしまうぞ。


城の人達に良いように使われないように警戒する必要はあるけど、

色々と教わらないといけないから王城の方が良いだろうな。


「王城への転送でお願いします。」


王城スタートでも悪い状況になる事もあるけど、

一般人が町中以外からのスタートって危険すぎる。


「分かりました、それでは王城へ転送させて頂きます。」


「さて、貴方とお話するのはこれが最後になると思います、何か聞いておきたい

事などはありませんか?」


おおっ、ここで質問タイムを貰えるなんて、さすがは管理者さんだ。


「いくつかお聞きしたい事はあるのですが、お聞きしても良いですか?」


「お答え出来ない事もありますが、遠慮なくお聞き下さい。」


さて、何を聞こうかな、

まずはこれだな。


「えっと、管理者さんは神様なんですか?」


「私は神様ではありまん。チキューリーにおいては私の事を神と呼んでいる

ようですが、我々管理者は神と言う存在ではありません。」


「神様では無いんですか? 人に才能を与えたり、異世界に転移させれたり、

すごい力をお持ちのようですが?」


「我々も元々は、貴方と同じように一惑星で暮らしていた生命体です。長い年月を

掛けて進化を繰り返し、技術を高め、ついには管理者へと到達しました。」


「これは地球を管理している管理者も同様です。」


「ちなみに地球の管理者と私は同じ惑星からの進化者ではありません。」


やっぱり地球にも管理者がいるんだ、

管理者さんの話しぶりだと地球の管理者は地球出身者ではなさそうだけど、

どこの惑星の人?何だろうか?

聞いても良いのかな?

あっ、でも聞いても意味ないか、その星がどこに有るのかも分からないんだから。


管理者さんは神様では無いけど、凄い力を持っているって事で良いな。


いずれ地球人も管理者さんレベルまで進化する事が出来るんだろうか?


「後は質問はありませんか?」


「あっ、すいません、もう一つ質問なのですが。」


「私は地球に帰してもらえるのでしょうか?」


「はい、魔王を倒して頂ければ地球にお戻ししますので、魔王討伐を宜しく

お願いします。」


「地球に帰る為にも頑張ってみます」


うん、地球には帰してもらえるようで良かった。

管理者さんが帰してくれるって言うなら大丈夫だろう。

ラノベだと帰すって言っておいて殺されたりってあるからな、気を付けないと。


「それではチキューリーに転送させて頂きます。転送場所はフラン王国の王城になります、現地人には勇者が降臨すると伝えてありますので、後は現地人と協力して魔王討伐を進めて下さい。」


えっ、勇者!?

やっぱり勇者として行く事になるのか!

俺は勇者なんか柄じゃないんだけど、そんな性格でも無いよ。。。


「それでは行ってらしゃい、健闘を期待しております。」


音も無く、光り輝く事も無く、ただ伊勢 界治の存在がこの空間から消えた。


ふー、やっと行きましたか。

随分と才能の選択に時間が掛かりましたね。

いくら時間制限が無いとはいえ、1年分以上の時間を使って選択するとは

思ってもいませんでした。

この空間では空腹にならなく、疲労もしないとは言え良く飽きずに考え続けられた

ものです。


先に送った人はここまで才能の選択に時間を掛けていなかったんですけどね。

ま、その為か分かりませんが、すぐに亡くなってしまいましたが。


異世界人(伊勢界冶)さんはどこまで頑張ってくれるか、

ふふふっ、私を楽しませて下さいよ。

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