第13話 逃避行

いったいどれだけ飛んでいただろうか。

こんな時間ときが永遠に続けばいいのに。

そんなことを考えていると絨毯が赤い点滅を発し始めた。

「まもなく、バッテリーが切れます。

 着陸します。」

「大変!

 バッテリーが切れてしまうわ!

 オオカミさん、頭を下げて!」

言われるがままに俺は頭を抱えて体全体を下げる。

絨毯は急降下して着陸した。

「2人で飛んだことはあまりないのでこんなに早くバッテリーが切れてしまうとは思いませんでした。

 ごめんなさい、オオカミさん。」

「俺は大丈夫。

 だけど追っ手が…」

「どこか、

 どこか身を隠す場所はありませんか…?」

俺は辺りを見回す。

「少し歩いたところに俺の家があります。

 そこでよければ。」

「いいんですか?」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る