第12話 科学の絨毯

かぐや姫は胸元から布を取り出した。

布は自我を持った様に地面まで降りて行き、まるで俺たちを乗せてくれるかの様に構えた。

「オオカミさん、私と一緒に乗りましょう。」

「乗れる、のか?」

恐る恐る布に体を預ける。

布は助走をつけて上昇した。

「まてえええ!」

使いの声が遠ざかっていく。 




俺はかぐや姫と大空を舞っている。

「これは空飛ぶ絨毯です。

 科学の絨毯、とでも言いましょうか。

 充電式で誰でも空を飛ぶことができるのです。」

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