第14話 男一匹

重い身体をなんとか動かし、ようやく家に着いた。

もう、体力は、ない。

「ここ、です…」

扉を開けるなり俺は身体を床に預けた。

かぐや姫が何も言わない。

そうだ、男一匹で暮らしてきたこんな部屋に失望しているに違いない。

「素敵!」

「嘘だ…」

思わず口をついて出た言葉に反省した。

かぐや姫は目を輝かせていたのだ。

「まるで御伽噺に出てくるお家みたい。」

かぐや姫は俺の家に見惚れているかのように見えた。

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