第7話 悲しみの中で
実りきった稲穂だけを遺されて僕は独りになってしまった。
農作物の育て方は教えてもらったこともあるもののとても自分の食べる分全てを作り切ることはできなかった。
どんなに汗水流して農作物に手間暇かけても、できるのはほんの少しの食べ物だけ。
なのに、父さんと母さんを奪われた悲しみは増していく。
憎しみは膨れ上がってくる。
人間を襲わなかった父さんと母さんがなぜ人間に殺されなければならないのだ。
僕には理解できなかった。
お互い譲歩し合う世界は作れなかったのだろうか。
いいや、違う。
父さんと母さんは間違っていたんだ。
この世に平等なんて存在しない。
喰うか喰われるか、それだけの世界。
人間なんかに喰われてたまるか!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます