第4話 復讐

赤ずきんを探して早3ヶ月。やっとのことで赤ずきんを見つけた。

だが例によってあの憎き猟師も一緒じゃ無いか。

しかし関係ない。

まずは赤ずきんに噛み付いてやろう。

「いたっ。なにこの亀。」

すぐ近くを歩いていた猟師が俺の方を振り返った。

「あらカミツキガメかな。すぐとってあげるよ。」

あれ、いつもなら噛み付けばすぐに血だらけになるはずなのに。

そっか俺今亀なのか!

そうこうしているうちに猟師が赤ずきんの体から俺のことを引き剥がそうとしてくる。

「なかなか取れないな。

 叩き落とすしかないみたいだな。」

俺は猟師に棒で叩かれた。思わず声が出てしまった。

「いたっ。いたい!痛いな!」

「今の声、オオカミ?この亀この間のオオカミだ!猟師さんすぐにやっつけて!」

「合点。もう銃で撃ってやろう。」

ああ今度こそ俺も終わりか…

覚悟を決めた。

その時だった。

「やめな!弱いものいじめはよくないよ。」

青年が俺の前に立ちはだかった。

「浦ちゃん!」

「赤ずきんちゃん、知り合いなのか?」

「違うよ、あの有名なアイドルグループのsayshow NAGONのメンバーの浦島太郎さんじゃない!」

sayshow NAGON?聞いたことは…無い。

「そうなのか。でもだからといってこの亀を許すわけにはいかんなぁ。」

浦ちゃんと呼ばれる男は一歩前に出た。

「君らとこの亀くんとの間に、何があったのかは知らない。

 けれど銃口なんか向けちゃいけないんじゃないか?」

「っつ…」

猟師が一歩後ろに下がった。

「だろう?じゃあ話は早い。彼を解放するんだ。」

猟師は銃口を下げた。

「これから竜宮城に行かなきゃならないから僕はこの辺で。」

浦島さんは海の方へ歩き始めた。

俺は短い足で必死に浦島さんについて行った。

「浦島さんありがとうございます、この御恩は忘れません!」

「僕は当然なとこをしたまでだ。礼なんて必要ない。」

「本当にありがとうございました。ではっ。」

俺はそそくさと海へ向かう浦島さんを見送った。

ああ、命の恩人…

助かった…

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