第3話 石 

俺はオオカミだった。

だった?自分で言いながらも首を傾げる。長い首を。

確かにオオカミだった、と思うんだが…

自分の体を見ようにもなかなか身動きが難しい。

もしかして、俺…亀になった?

石が甲羅に、なった、のか…?

亀になったオオカミ?

亀になった、ってことは陸に戻れる!

よしこんな目に合わせてくれた赤ずきんたちに復讐をしてやろうじゃないか。

待ってろよ赤ずきん。




この光景を見ている者がいるともつゆ知らず、オオカミはゆっくりと歩み始めた。

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