幽閉

第15話「待ってろ、くみ…」

む…

あの木の上についているのも

監視カメラか…

あれでもういくつめだ…？

俺の侵入は完全ににバレてると

見ておいた方がいいな

となると、やはりこいつを

準備しておいた方が良さそうだ

俺は拳銃を取り出し

遊底をスライドさせて薬室に弾を送り込んだ

そして右手に構えて左手を添（そ）える

これでいい、来るなら来い

いつでも相手になってやる

俺は敵の屋敷へと近づいていく

島で一軒のあの屋敷…

あそこに娘のくみが…

父さんが必ず助け出してやる

待ってろ…くみ

よし、屋敷に着いた

かなり頑丈（がんじょう）に作られているな

侵入は容易じゃなさそうだ

とにかく周りを見よう

やはり監視カメラが付いてるな

もう気付かれたか…？

とにかく一階からの侵入は

窓を破るしかなさそうだ

窓のある部屋には誰もいない…

よし、行こう

俺はガラス切りを取り出した

窓の鍵の周囲を切り取る

よし、切り取った

ガラスを慎重に外して手を入れて…

鍵を外した

静かに窓を開けて侵入しよう

だが、おかしいな…？

こんなに簡単に侵入出来るなんて…

俺は部屋を調べてみる

古いが高級そうな家具だ

次の部屋を見よう

俺が振り向こうとした瞬間

「ダダダダダ！」

ぐうっ！

左の肩をやられた…

俺はすぐにソファーの陰（かげ）に飛び込んだ

サブマシンガンか…？

油断した…

ダメだ…　左の腕が動かない…

今のは入口の方からだ…

喰らった弾は一発だけの様だが

とにかく止血をしなければ…

俺は左袖を引きちぎって

右手と口を使って上腕部を縛（しば）った

取りあえずはこれでいい…

しかし猟銃では無くてサブマシンガンだと…？

いったい…ここの住人は何者なんだ？

考えても仕方が無い…

敵は無傷で俺は怪我人

それだけだ…

しかも敵が予備の弾をどれだけ持ってるか…？

他にも武器があるかも…

かなり分（ぶ）が悪いな…

だが一つハッキリしたのは

銃を持つ犯罪者がここにいる

くみがここに囚（とら）われているのは

間違いない…

負けられるか…この俺が…

失格者かもしれないが

俺はくみの父親だぞ

必ず助け出す…

待ってろ、くみ…